RECORD

Eno.98 十八成 玄の記録

蛇足・4

[大和通り][向日葵畑]
  [Eno.98] 2025-07-08 00:13:18 No.3384741

晴れ空の下。
向日葵畑の中を真っ直ぐ、何に導かれるでもなく進む。

大輪から溢れる笑い声にも、
葉が触れ合って自分を呼ぶ声にもとうに慣れていた。

「あち〜……」

なんで夏は暑いんだよ、なんて文句を言う資格はない。
これ・・を望んでいるのは自分だ。

蝉時雨と太陽の光を浴びながら進む。
なんとなく少し振り向けば、
陽炎の隙間に子供の姿が見える。

「……………………、」

呼ばれている。
何も言わず、前を向いた。

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[大和通り][向日葵畑]
  [Eno.98] 2025-07-08 00:16:10 No.3384942

 
 やがて立ち止まり、足音も止む。
 分厚い靴底が、こつ、と石畳を叩いた。
 

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[大和通り][向日葵畑]
十八成 [Eno.98] 2025-07-08 00:18:47 No.3385113

「……ふーん。すごいな」

「昔のままだ」

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[大和通り][向日葵畑]
  [Eno.98] 2025-07-08 00:20:53 No.3385240


 そのまま参道に足を踏み入れた。
 向日葵はそれを見送って、また風に揺れた。

 

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独り言にしては白々しい感想だった。
久し振りに来た、というのは間違ってないが。

気になったのはふなまつりで二人と集まった時。
めりいが向日葵畑の話題を口にしたからだ。

確かに俺たちは昔、
夏休みにあの向日葵畑に通っていた時期がある。
……正しくは、通り道にしていた時期が。

俺達が遊び場にしていたのはその奥の神社だった。
誰も居ない上に誰も来ないのをいい事に、
古びた神社をまるごと秘密基地みたいにしていた。
きっちり、お賽銭だけはして。

思い返せば、あの時点で既に裏世界へ
三人とも迷い込んでいたのかもしれない。
あるいは表にあったものが、裏へと移ったのか。

どちらにせよ、今も全てあの時のままだ。
向日葵畑も、神社も、全て。






















アイツはここに来たのか?