RECORD

Eno.350 竜胆 棗の記録

時間

朝、相変わらず体がだるい。
まぁ今日はテストを終わらせてはいるし、急いで登校する必要も無いだろう。

「ケホッ……ケホッ……
はぁ……やっぱ長くないんだろうな」

自分の体のことは自分がいちばんわかるという訳では無いけれど、急激に自分の体が蝕まれている事くらいは理解できる。
口を覆った手にはベッタリと赤い液体がついていて、これが自分はもう数年すれば死ぬのだという事実を否応なく突き付けていた。

「はぁ……どうすっかなぁ、話さないとだよなぁ……死にたくないなぁ……皆なんて言うかな
……怖いな」

最近、ホントについ最近だけど自分は人から愛されてるのだと自覚した。
だからだろうか、余計にこの事を言い出せなくなった気がする、何よりこの日常が壊れるのが怖い。

もう時期、俺はこうやって日常を謳歌できなくなるのかもしれないけど、せめてその日まではこうやっていつも通り生きていよう。

けど、時間ももう残っていない、幸いあいつは俺のことを狙っているし……何とか延命する方法を聞き出す方法を考えないと、この前の大男と言い、俺一人じゃ勝ち目は薄いかな、強くならないと。

出来たらみんなは巻き込みたくないし、自分一人で何とかしたいから。

でも、頼れる時は皆を頼ろう、それがきっと俺がみんなに対して出来る信頼の証だ。