RECORD

Eno.721 黄金ルリの記録

反省

自室にて。

ぬいぐるみを、両腕いっぱいに抱え込み顔を埋める。

「やらかした……」


最近、自分で自分がわからない。
ちょっと気持ちの整理をしないと、到底いつもの顔で過ごせる気がしない。

最初はそう、トバリの挙動不審。
裏にいるのを見つかってからしばらく、一緒に行動してたのが、最近急にのめり込みはじめた。いつの間にか、ひとりで。
多分面白がって探検してるうちに、変なスイッチが入ったんだろう。

見た目は大丈夫。でも、なんだか。

裏の気配がトバリから漂うようになってきた。
これ以上濃くなったら私達は別のものになってしまうんじゃないだろうか…


そして、私も裏に足を運んでいる。
本当に、出来るだけ近づかないようにしてきた。
向こうの知り合いも最小限。
知り合いっぽい気配があれば、顔も確かめずにそっと立ち去り。


表でも、上手に隠せてたと思うんだけど。


トバリの迂闊さが裏でも健在だったことに、安堵のため息をつく。

でも。

つーちゃんに、ばれちゃって。
心配をかけている。


つーちゃんもちょっと前、しばらく元気がなくて、ほっといたら消えちゃいそうで、つい“距離を詰め”た。


大切な友達には、惜しむことのない愛情を。


つーちゃんは人形じゃないから、いきなり詰めた距離感も、気持ちも、きっと困らせてしまう。今は良くても、そのうち毒になる。

「人見知り」の「距離なし」

無関心と大好きの境界線なんてとても曖昧で、あっという間に切り替わる。
表と裏みたいに。


誰がが、私に向けてくれた関心が嬉しくて


つーちゃんが、みんなの様子を見ている時、それを見つけて寂しくなった。

ちょっと離れてみんなを眺める、なんて、自分でもよくするのに。

それをする時、みんなの中にいてもちょっとだけひとりになるのを知っている。

多分それが嫌だった。距離を詰めたから。


私の感覚で。

私は生まれる前から一人きりだったことがないから。

人との距離が難しいのかもしれない。


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強くなりたい。

心配をかけないように。
誰かを助けに行けるように。

護れるようになりたい。

でも全然足りない。

どのくらいやれるのか。
ひとりで戦っていたらとても時間がかかる。

意図をくんで見守ってくれる人がいた。びっくりしたけど、とても心強かった。


あ…レイズくんにはとても申し訳ないことをしたかもしれない。せっかく助けてくれたのに。
…私がなりたい理想の姿にとても近くて嫉妬した。
ピンチの時に前触れなくやってきて、ひとりで全部片付けていくなんて。



大丈夫。ちゃんとやれる。

距離感を、適切に。

……大好きは届くだろうか?