RECORD

Eno.396 小野州 名護の記録

置物

 
……。

結局の所、アザーサイドコロニストにおいても、深夜にあった長いおしゃべりの中にあっても、おれは徹底して部外者だった。

そのいずれも、時薬ときぐすり。つまりは、時間が必要な案件だ。

結局、おれが怖がっているのは人を害してしまうことだ。
だけど、この力が裏世界ではちょっと役に立つことも分かってしまっている。
神秘を使わなくたって、おれは誰かが戦い抜くために、前に立つことならできる。

だから、これからも……表ではお行儀良く縮こまろうと思った。
自分の理想的な展開。誰かの健やかな姿。祈らずにはいられないエゴ。
一緒の食材で喜んで食事をすることだって、ままならない。

歩み寄って知性で把握しあえても、絶対に『同じ』になることはない。
人が本質的に傷つけ合って変異するようできていたとしても。


それがよく分かる一日だった、と……思う。
部屋に帰って飲んだオレンジジュースがすっぱくしみたけど、これが丁度良い。


おれに友達はいない。おれは何も変えられない。
努力はするけれど、何も期待しないで。……応えたくなってしまうから。