RECORD
Eno.53 浅川 葵の記録
”私”と『私』
小学2年生の夏、”私”と『私』は入れ替わった
幼い頃から見ていた輪郭のぼやけた、顔のはっきりとしない、人形の、霧のような、『ナニか』
それは所謂ドッペルゲンガーや取り替え子といった類の、ヒトに成りすますモノだった
親に固く禁じられると、子どもはかえって興味を抱くものだ
『ナニか』と接触した葵は、裏世界へ
葵と接触した『ナニか』は、表世界へ
『ナニか』は管理局の職員でもある葵の母親の目をも欺くために自身の神秘を極限まで削ぎ落とし、外側も内側も、肉も血も骨も葵そのものに作り変わった
こうして『ナニか』は『葵』として生きる
裏世界に移った葵は、削ぎ落とされた『ナニか』の残骸に自分の好きだったものを投影した
それがパカ太郎
この従順なヘンテコ神秘を自身の感覚器の延長として用いて身の回りや『葵』を見守る
こうして浅川葵は”葵”として生きる
時は流れて10年
『葵』は完璧に浅川葵に成りすました影響で、自身が怪奇であったことをを忘れ去ってしまった
”葵” は裏世界に魅せられた影響で、自分の元の人生にすっかり興味も未練も亡くしてしまった
こうして”私”と『私』は入れ替わった
幼い頃から見ていた輪郭のぼやけた、顔のはっきりとしない、人形の、霧のような、『ナニか』
それは所謂ドッペルゲンガーや取り替え子といった類の、ヒトに成りすますモノだった
親に固く禁じられると、子どもはかえって興味を抱くものだ
『ナニか』と接触した葵は、裏世界へ
葵と接触した『ナニか』は、表世界へ
『ナニか』は管理局の職員でもある葵の母親の目をも欺くために自身の神秘を極限まで削ぎ落とし、外側も内側も、肉も血も骨も葵そのものに作り変わった
こうして『ナニか』は『葵』として生きる
裏世界に移った葵は、削ぎ落とされた『ナニか』の残骸に自分の好きだったものを投影した
それがパカ太郎
この従順なヘンテコ神秘を自身の感覚器の延長として用いて身の回りや『葵』を見守る
こうして浅川葵は”葵”として生きる
時は流れて10年
『葵』は完璧に浅川葵に成りすました影響で、自身が怪奇であったことをを忘れ去ってしまった
”葵” は裏世界に魅せられた影響で、自分の元の人生にすっかり興味も未練も亡くしてしまった
こうして”私”と『私』は入れ替わった