RECORD

Eno.329 九条 陶椛の記録

記録

駅、および電車の怪奇について。

・量子改札口
東部の駅に在る乗車口。
いくつもの電車の姿が重なっている
よくわからないものが通過していく。
目がちかちかする。

ここは、どうだろうか?
可能性だけは、ある。

けれど通過するだけなのでどこから来て
どこへ行くのかはわからない。
行き先すらも重なっているのかもしれない。

中身も重なってるのだろうか。
乗客も?
どういう状態なのだろう。
外から見る限りではよくわからない。

実際に重なってる、というよりは
見えてる部分が重なってる……?
よくわかんないな。

これだけ異質だと関係がないもの
として扱っていいのかもしれない。
こんなものだったら目撃証言も
変わってくるはずだろうから。

ここはカルトの連中がうろついている。
人型怪奇であって人間ではない。
どちらにしてもキモい。

倒して、その研究成果を集めてみては
いるけれど、なにか頭が痛くなるような
ことばかり書かれているのでまともに
読めない。たぶん読まないほうがいい。

提出してはみたけれどすごく渋い顔をされた。
ただのゴミかもしれない。
一応、まとめておいてはある。


・迷いの乗口
存在しないはずのホーム。
行き先のわからない電車。

怪奇の駅としてはお約束という感じがする。
行き先はだいたい、わからない。読めない。
そして帰ってきた人もいない。
もしかするとそれらの駅は
つながっているのかもしれない。
乗らないことには確認も出来ないが。

出現する時間が限定されている。
これは、名探偵さんと行ったあの駅と
同じ特性だ。
その時間帯は終電後であり
その範囲は深夜と広い。

真夜中、という点では符号している。
ただし出現するエリアは定まっている。

定まっているのは駅だけで
ここから出る列車が表まで走っている
可能性までは否めない。

もどかしい。

ここも人型怪奇が出没する。
明らかに、調査をしている。
こちらもカルト関連のように見える。
退治して、その成果を集めてみてはいるが
私が見ても残念ながらよくわからない。
提出して見てもらっているがいまのところ
それらしい報告は聞けていない。
レイライン関連のものだということだけは
確かなようで。
ろくでもなさそう。


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Report

九条 陶椛について。

容態は安定している。
出力も問題なく、対怪奇戦闘要員として
期待に応えている。
なお、打たれ弱さは改善出来ず。


姑獲鳥の身体侵食及び融合は
依然緩やかに進行している。
精神も影響を受けているように見える。
対抗策はあまり功を奏していない様子。
別のアプローチが必要か。
投薬の増加、変更を検討。

裏世界への親和性も増している。
人間が裏世界で長時間活動する上では有効か。
精神が怪奇へと寄りすぎる危険性はある。

異界の火の行使に加え
翼による飛翔能力を獲得している。
そのことが行動範囲の拡大と軽率さに
つながっているので要注意か。


神隠し案件の被害者の保護を数件行っている。
被害者の診断、治療及び記憶処置済。
全員、表世界へと返還している。
彼女の抱える案件とは無関係の様子。


北摩湖南に霧とともに出現したマヨヒガと接触。
巫として迎え入れられている模様。
マヨヒガはそのまま定着している。

いまのところは危害はないようだが
なにがあるかはわからない。
監視は怠らないこと。
要経過観察。