RECORD
Eno.38 穂叢 焔芽の記録
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異能力、即ちその生物が本来持つはずではない能力である。
これは呪術などと違って術ではなく、つまり異能を保有している当人以外には扱うことができない。
そして種として保有する機能とも別物であるため、そのノウハウを共有することが極めて難しい。

そこに拍車を掛けるように、異能は”身体機能”であるという事実が横たわる。
つまり異能力者自身も、その制御を感覚的な部分に大きく依存しているということ。
様々な側面から調べようが、足掛かりに出来るほどの情報が集まっていないのが現状だ。


産まれたての赤子は、走るどころか立つこともままならない。
とはいえそれは身体的な未成熟と、立って歩くための回路が形成されていないことに起因する。
であれば制御しようと試みる限り、いずれは何かの取っ掛かりを得られる、と。


異能の制御は身体に、そして精神に結び付く。
些細なことであれ、何が影響するか予測しかねるケースだって多い。
それ故に、異能力者にはケアの専門家を付ける……というのが彼の所属組織『コーディエライト』での決まりとなっている。
3限 異能生体学
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「えーと、異能生体学の授業を始めるんスけど……
まず俺らが言うとこの異能について、説明からッスかね。」

「異能ってのは、俺らのとこだと『その生物種が本来保有しない、個体に備わった機能』なんて説明するッスね。
つまり霊感とか、吸血鬼の霧化能力なんてのは異能として分類しないんスけど……パイロキネシスとかはだいたい異能の扱いッスね。」
異能力、即ちその生物が本来持つはずではない能力である。
これは呪術などと違って術ではなく、つまり異能を保有している当人以外には扱うことができない。
そして種として保有する機能とも別物であるため、そのノウハウを共有することが極めて難しい。

「そういうわけで、俺らが教えられる異能のことってあんま多くないんスよ。
異能の発生原理とか、要因とか、専門家でも分かんなくて苦労してるっぽいし。」
そこに拍車を掛けるように、異能は”身体機能”であるという事実が横たわる。
つまり異能力者自身も、その制御を感覚的な部分に大きく依存しているということ。
様々な側面から調べようが、足掛かりに出来るほどの情報が集まっていないのが現状だ。

「んじゃ俺ら何教えんのって話なんスけど……
イメージ的にはまぁ、体育の時間みたいなモンというか……使いながら、制御イメージを固めてく手伝いをする感じッス。」

「んじゃ考え方から始めてくんスけど、俺らにとって異能の扱いは走るのと同じで、程度を問わないならいずれ出来るようになる……って思うのが大事ッスね。
特に後天性とかの場合、発現したてって赤ちゃんと変わらないんスよ。」
産まれたての赤子は、走るどころか立つこともままならない。
とはいえそれは身体的な未成熟と、立って歩くための回路が形成されていないことに起因する。
であれば制御しようと試みる限り、いずれは何かの取っ掛かりを得られる、と。

「ったって焦るのは分かるんスけどね。
俺だって何度自分の腕を捻じ折ったか覚えてねぇし。」

「あぁ、ただ……そうやって暴走が発生した時、何がトリガーになったかは考えると良いッスね。
共通してそうなことを見つけて、そこから逆算で制御できるようになるのが近道というか、それで制御できたケースが多い気ィするんで。」
異能の制御は身体に、そして精神に結び付く。
些細なことであれ、何が影響するか予測しかねるケースだって多い。
それ故に、異能力者にはケアの専門家を付ける……というのが彼の所属組織『コーディエライト』での決まりとなっている。

「んじゃー今日はこんなとこで。
一人の時に練習しようとか思わないように頼むッスからね、大怪我しても俺何もしてやれねーんで。」
