RECORD

Eno.175 水元イチノの記録

海の日に砂浜を

 7月21日、海の日。
 SNSのタイムラインにはやれスイカ割りだのやれ水着コンテストだの、それが普通ですわな。
 かたや私はビルん中のプールで呟くんすわ。It'a fake wolrd.
 狂ってる? それ褒め言葉ね。

 プールはそもそも海の偽物。
 海水浴ができない人たちのために作られたもので、それはまさに私のことだ。
 海の日に砂浜を見たくないから。
 砂を掘り起こしてビー玉を探し回ったことを、砂から吹き上がる間欠泉を、そして電撃のことを思い出してしまうから。

 そう思ってカメラロールを見返したらさ、7月29日の話だったよ。
 覚え間違いをしていた。
 私が大切に、大切に取っておいた記憶って間違ってたんだって。

 もう手遅れだ。私の中にあるイメージを更新しないよう、似た雰囲気のものにすら触れずに過ごしてきたけど、意味がなかった。大切にしてきたはずだったものが、気づいたらツギハギだらけだった。
 妄執に取り憑かれている。忘れたくないものを忘れない方法ってないのか?
 人間の脳に忘却という機能を実装した神は寂しい存在なのかもしれないね。

 私もだよ。