RECORD

Eno.357 李 莱姆の記録

𝗟𝗜𝗦𝗧 𝗡𝗼:𝟬𝟴


「…………需要。」

「……今日はもうやめとけよ」




 そんな顔をしないでよ。

 まるで、僕が可哀想みたいな顔をしちゃってさ。



 別に、これだけしか方法がないわけではない。
 別に、苦痛を感じているわけでもない。


 自分の得手不得手を理解しているだけだ。




 僕の長所は?

 要領がいいところ? 愛嬌があるところ?
 顔が良いところ? 都合がいいところ?




 ただそれだけ。




 自分の才能は伸ばせって、学校でも教わるじゃないか。


 だから、需要に応えて構ってもらうだけ。
 それで、お互い気持ち良く過ごすだけ。






 でもね、ひとつだけ間違っていることがある。










「何より、僕は誰かと一緒に過ごしていたいんだよねぇ」












 僕は、人間のことが好きじゃない。







 傍になんていてほしくない。

 誰にも触れないでほしいし、
 関わらないでいられたらどれだけ良いだろう。









「傍に住んだりしたら、捨てにくくなるでしょ」









 それでも、傷付けたくないのは本当。











 だから、僕は嘘吐きになった。