RECORD
Eno.38 穂叢 焔芽の記録
恋
この感情は、一般的に恋と呼ばれるらしい。
僕自身もまた、これを恋と呼ぶのだろうと思う。
今までそれほど仲が良かったわけでもないのに。
何気なく与えられた一言を、宝物のように胸の内で抱えている自分がいる。
恋は落ちるもの
その言葉を半信半疑で聞いていた。
急に自覚することはあるだろうが、多少の積み重ねありきだろうと思っていた。
全くそんなことないんだ。
たった一言が数多の積み重ねよりも重く突き刺さって、その言葉だけが、ずっと心に響いている。
焦がれるとはきっと、こういうことを言うんだろう。
あの言葉を、そこから垣間見えた人間性を、彼自身を焦がれている。
知らない部分の全てを知りたいと希求し、僕すら知らない部分をその手で明かして欲しいと懇願する。
けれど彼もまた焦がれるものがある。
彼には彼が求めるものがあって、それは自分と重ならない。
分かっている。
十分に分かっているつもりだ。
それでもなお止められない。
不都合な事実を理解して、なお求める事が止められないから、焦がれている。
近くで何もかもを知りたいし
近くで何もかもを教えて欲しい。
近くで何もかもを知って欲しいし
近くで何もかもを僕から教わって欲しい。
知るというだけのことを、知られるというだけのことを、ただその欲求を満たしたい。
それ自体にはきっと、恋人という関係性は必要ないはずなんだろう。
ただそういう関係でなければ確かめられないことが、世の中にはたしかに存在している。
自分以外の誰かがそこに存在していることで、叶わないものがたしかにある。
放っておいたら取られる、なんてことも言われた。
それが理想に手が届いた結果ならば、僕が苦しいだけで済むのだろう。
それが理想以外だったなら、ものすごく嫌だと思う自分がいる。
何故?と。理想と僕は比べるべくもないけれど、それ以外なら比べようがあるはずだから。
僕以外で良いなら、僕でも良いんじゃないか?と。
せめて理由がないと、飲み込めもしない。
これを嫉妬と言うらしい。
そうだろうな。今まで感じたことの無い感覚で、そして知識として知っているものとも一致する。
こんな形で嫉妬を理解するとは思わなかった。
こんな醜いもの、と思うのに捨てられない。
本来なら、いつもなら「比較して何になる」と言えたはずだろう。
それが彼のこととなった途端に、固執して、執着して、いつものように考えられなくなる。
言い逃れ出来ないほど、思考に雑念が混じる。
ただ連絡を送るだけでこの内容で大丈夫かと悩み、送ったら送ったで辞めとけば良かったと悩み。
返事が来れば、なんてことない内容なのに喜んでる自分がいる。
交換会に出す弁当を作るだけで、手元に渡ったら美味しく食べてもらえるだろうかと期待をしている。
自分が経験したことのない行為を、出来るかで問われればともかく。
したいかと問われた時に、思い浮かぶ顔がひとつしかない。
1200%恋だ、とまで言われたな。
叶わないと分かっていて
それでも恋と認めるしかない。
そうではないと押し込めることすらままならない。
願いを叶えたら居なくなってしまうものと分かっていても、何もかもが知りたい。
それでどれほど苦しむのかを理解していてもなお、世界の内側に置くことがやめられない。
いや。どうせ今更なのかもしれない。
これだけの感情を知って、僕の世界構成する大きな要素になっている。
彼が連れ去られて消える時、その喪失が大きいかもっと大きいか。
いずれにしたって、僕はまともには受け止めきれるわけが無いのだと思えば。
考えたくない。考えたくはない。
喪失を考えるとやっぱり手が震えそうになる。
けれど彼を好きになるとは、その結末すら含めて全て覚悟しなくてはならないことなんだろう。
人の心は縛れない。
繋ぎ止めるのに、僕では足らない。
それをずっと想い、苦しいのにやめられない。
これがきっと、恋と呼ぶものなのだろう。
僕自身もまた、これを恋と呼ぶのだろうと思う。
今までそれほど仲が良かったわけでもないのに。
何気なく与えられた一言を、宝物のように胸の内で抱えている自分がいる。
恋は落ちるもの
その言葉を半信半疑で聞いていた。
急に自覚することはあるだろうが、多少の積み重ねありきだろうと思っていた。
全くそんなことないんだ。
たった一言が数多の積み重ねよりも重く突き刺さって、その言葉だけが、ずっと心に響いている。
焦がれるとはきっと、こういうことを言うんだろう。
あの言葉を、そこから垣間見えた人間性を、彼自身を焦がれている。
知らない部分の全てを知りたいと希求し、僕すら知らない部分をその手で明かして欲しいと懇願する。
けれど彼もまた焦がれるものがある。
彼には彼が求めるものがあって、それは自分と重ならない。
分かっている。
十分に分かっているつもりだ。
それでもなお止められない。
不都合な事実を理解して、なお求める事が止められないから、焦がれている。
近くで何もかもを知りたいし
近くで何もかもを教えて欲しい。
近くで何もかもを知って欲しいし
近くで何もかもを僕から教わって欲しい。
知るというだけのことを、知られるというだけのことを、ただその欲求を満たしたい。
それ自体にはきっと、恋人という関係性は必要ないはずなんだろう。
ただそういう関係でなければ確かめられないことが、世の中にはたしかに存在している。
自分以外の誰かがそこに存在していることで、叶わないものがたしかにある。
放っておいたら取られる、なんてことも言われた。
それが理想に手が届いた結果ならば、僕が苦しいだけで済むのだろう。
それが理想以外だったなら、ものすごく嫌だと思う自分がいる。
何故?と。理想と僕は比べるべくもないけれど、それ以外なら比べようがあるはずだから。
僕以外で良いなら、僕でも良いんじゃないか?と。
せめて理由がないと、飲み込めもしない。
これを嫉妬と言うらしい。
そうだろうな。今まで感じたことの無い感覚で、そして知識として知っているものとも一致する。
こんな形で嫉妬を理解するとは思わなかった。
こんな醜いもの、と思うのに捨てられない。
本来なら、いつもなら「比較して何になる」と言えたはずだろう。
それが彼のこととなった途端に、固執して、執着して、いつものように考えられなくなる。
言い逃れ出来ないほど、思考に雑念が混じる。
ただ連絡を送るだけでこの内容で大丈夫かと悩み、送ったら送ったで辞めとけば良かったと悩み。
返事が来れば、なんてことない内容なのに喜んでる自分がいる。
交換会に出す弁当を作るだけで、手元に渡ったら美味しく食べてもらえるだろうかと期待をしている。
自分が経験したことのない行為を、出来るかで問われればともかく。
したいかと問われた時に、思い浮かぶ顔がひとつしかない。
1200%恋だ、とまで言われたな。
叶わないと分かっていて
それでも恋と認めるしかない。
そうではないと押し込めることすらままならない。
願いを叶えたら居なくなってしまうものと分かっていても、何もかもが知りたい。
それでどれほど苦しむのかを理解していてもなお、世界の内側に置くことがやめられない。
いや。どうせ今更なのかもしれない。
これだけの感情を知って、僕の世界構成する大きな要素になっている。
彼が連れ去られて消える時、その喪失が大きいかもっと大きいか。
いずれにしたって、僕はまともには受け止めきれるわけが無いのだと思えば。
考えたくない。考えたくはない。
喪失を考えるとやっぱり手が震えそうになる。
けれど彼を好きになるとは、その結末すら含めて全て覚悟しなくてはならないことなんだろう。
人の心は縛れない。
繋ぎ止めるのに、僕では足らない。
それをずっと想い、苦しいのにやめられない。
これがきっと、恋と呼ぶものなのだろう。