RECORD

Eno.367 日上 晴の記録

記憶

走れば、まだ間に合う。

浅はかな考えだった。
雨に打たれ過ぎて、思考が流れてしまったのかもしれない。

それでも、俺は走り続けた。
まだ間に合う。
あの二人はまだ生きている。
そう信じていた。

信じていたかった。


信じたかった。








…けど、





















走ってたどり着いた拠点にしていた場所。
そこはもう誰もいない廃屋と化していた。

嫌な予感はした。


だけど、その時はもう手遅れだった。



…なんで、見上げてしまったのだろう。

だって、見上げた先に見えたのが、
木の枝に下げられているてるてる坊主で、
やけに大きなてるてる坊主で、
よく見たら、

その白い布の下から、

























よく知る人たちの足だったから。







































全てがわかってしまった時、

嫌でも事実を見てしまった時、


俺は、意識を失ってしまった。