RECORD
Eno.357 李 莱姆の記録

![]()
![]()
それが普通なのだろうと納得した。
こんな考え方をする自分が、
おかしいのだと思い出した。


──呼吸をするだけで、否定される。
言葉を発したところで、届かない。
触れた空気は澱んでいく。
それは、生きるための処世術だった。
存在を否定されないための悪足掻きだった。
嫌われたくなかった。
きみは、強いね。
僕は、今でもずっと怖いんだ。

![]()
その言葉は、きっと、
いつの間にか汚れてしまった。
──きみにとっては、
ついで程度だったんだろうけれど。

![]()
![]()
本当に、嬉しかったんだ。
……なんて、

内緒にするほどの話でもないのだけれど。


𝗟𝗜𝗦𝗧 𝗡𝗼:𝟬𝟵

『よくわかんねえ』
『嫌いな奴と関わんないから』
それが普通なのだろうと納得した。
こんな考え方をする自分が、
おかしいのだと思い出した。

「お礼って、言われて嫌な気持ちにはならないでしょ?」

「例え、嫌いな相手でも」
──呼吸をするだけで、否定される。
言葉を発したところで、届かない。
触れた空気は澱んでいく。
それは、生きるための処世術だった。
存在を否定されないための悪足掻きだった。
嫌われたくなかった。
きみは、強いね。
僕は、今でもずっと怖いんだ。

「ありがとう」
その言葉は、きっと、
いつの間にか汚れてしまった。
──きみにとっては、
ついで程度だったんだろうけれど。

「いいか、いじめられたらすぐベコを呼ぶんだぞ」
「ぶっ殺してやるからさぁ!!」
本当に、嬉しかったんだ。
……なんて、

内緒にするほどの話でもないのだけれど。

「……」

「ただ、眼を移植するだけじゃ難しいかな」
