RECORD

Eno.42 甲賀 力の記録

甲賀ログ『アザーサイドに牧場を』

 

   *表世界住人向け導入イベント後のお話*


「……夕暮れと明け方の世界……
 裏世界アザーサイド、か……」


「よし、閃いた!」






*トゥルルルルルル*



*ピッ*




「ハーイ。オ久シブリデスネ ファッキンジャップ。
 コチラ北欧神話区世界樹公園前アスガルドー」


「元気そうじゃねぇか簒奪王。
 そっちの統治は順調か?」


「HAHAHA!余裕デース!
 信勝の野望テレビゲームデ学ンダ知識ハ伊達ジャアリマセーン!」


「ちゃんと野心高い武将に茶器とかあげてる?
 ……まぁいいや。
 今日は少し頼みがあってだな───……」




………………

……



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俺があのアメリカ人と出会ったのは半年前のこと……。

まだ高校2年生だった俺は夏休みに入ると同時、
異能の影響で北欧神話の世界に飛ばされた事があった。


甲賀 力こうが りき
 表世界で牧場を経営する祖父を持つ高校生。
 虹の橋ビフレストという転移門ゲートを通し、北欧神話の世界と繋がる異能を持つ。




その世界はラグナロクとかいう戦争の真っ最中で、
俺はそこで謎のアメリカ人に偶然出会い、いざこざに巻き込まれる形で戦争バトルに参加した。



結果、アメリカ人が天下を取ってアスガルドの王になった。


《ジェイムズ》
 どこにでもいるアメリカ人男性。
 大好物はハンバーガーとコーク。
 それ以外のことは僕も知らない。



アメリカ人の手によって世界樹はバーベキューの薪にされ、
炎の巨人はバーベキューの着火剤に使われ、
終末の狼はバーベキューで焼かれておろし醤油で食われた。


そんなこんなで世界が平和になったのを見届けてから、
俺は夏休みが終わる前に虹の橋を通って北摩へ戻ってきた。

それが半年前の出来事だったのだが……



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「あの時、牧場が焼き払われて行き場を失くした牛がいただろ。
 アレ全部こっちに送ってくれ」



「ホワ~~~イ?
 甲賀ノジッチャンノ牧場デ引キ取ルンデースカ?」



「いや、ウチの牧場にはもう土地の余裕がねぇのよ。
 かといって新しく土地を買う金もねぇ」



「ホナ牛送ッタトコロデ ドウスンネン」



「ここにはないってだけさ。
 この表世界にはな・・・・・・・・







「……見つけたんだよ、
 まだ誰のものでもない、広大な土地を」






「この世界の裏側……
 裏世界アザーサイドに俺だけの牧場を作るぜ!







《ミドガルズ牧場》
 甲賀が北欧神話から引き取った牛を飼育している裏世界アザーサイドの牧場。
 他の異世界から偶然迷い込んだ動物もいつの間にか混ざっている。