RECORD
Eno.133 氷野 はづきの記録
ようやく叔父さんは口を開いた。
『仕送りは今まで通りの額で変わらん。足りない分はバイトでもなんでもして、自分でなんとかしろ』
「え、えっと、それは」
『保証人が必要なら名前を貸してやる』
「!……ありがとう」
思わず声が上擦ってしまった。
茶化すように、ニヤリとした笑みを向けられる。
『ったく、俺みたいになるなよ?
こんなふうに家を持て余しちまったりしても困るからな』
「…うん、それは絶対にない」
その言葉を聞いて、叔父さんが妙に察しが良かった理由を思い出した。
叔父さんは結婚詐欺に遭ったんだ。
相手のことを本気で愛してて、たくさん尽くして、家まで建てたけどその途中で…。
それでも、オレのことを信じてくれる。
そのくらい、オレ自身が変わったってことなのかな。
「…叔父さん」
『ん?」
真っ直ぐに顔を見た。
「今まで、育ててくれてありがとう」
叔父さんは驚いたように目を見開いた。
今まで、改まって感謝なんて伝えたことなかった。
家族をみんな失ったオレを、本当の子供みたいに育ててくれて、大学にまで行かせてくれて。
ちゃんと言わないとってずっと思ってた。
返事がないな、なんて思っていたら、急に髪がぐちゃぐちゃになるほどオレの頭を撫で回してきた。
何するの、と視線を向けると、叔父さんは破顔していた。
『お前は本当に、笑うと母さんにそっくりだな』

———そっか。

———————————————
————————
葉月の今日の、空模様。
どこまでも、いつまでも、晴れ。
葉月の空④
ようやく叔父さんは口を開いた。
『仕送りは今まで通りの額で変わらん。足りない分はバイトでもなんでもして、自分でなんとかしろ』
「え、えっと、それは」
『保証人が必要なら名前を貸してやる』
「!……ありがとう」
思わず声が上擦ってしまった。
茶化すように、ニヤリとした笑みを向けられる。
『ったく、俺みたいになるなよ?
こんなふうに家を持て余しちまったりしても困るからな』
「…うん、それは絶対にない」
その言葉を聞いて、叔父さんが妙に察しが良かった理由を思い出した。
叔父さんは結婚詐欺に遭ったんだ。
相手のことを本気で愛してて、たくさん尽くして、家まで建てたけどその途中で…。
それでも、オレのことを信じてくれる。
そのくらい、オレ自身が変わったってことなのかな。
「…叔父さん」
『ん?」
真っ直ぐに顔を見た。
「今まで、育ててくれてありがとう」
叔父さんは驚いたように目を見開いた。
今まで、改まって感謝なんて伝えたことなかった。
家族をみんな失ったオレを、本当の子供みたいに育ててくれて、大学にまで行かせてくれて。
ちゃんと言わないとってずっと思ってた。
返事がないな、なんて思っていたら、急に髪がぐちゃぐちゃになるほどオレの頭を撫で回してきた。
何するの、と視線を向けると、叔父さんは破顔していた。
『お前は本当に、笑うと母さんにそっくりだな』

———そっか。

———————————————
————————
葉月の今日の、空模様。
どこまでも、いつまでも、晴れ。