RECORD
Eno.575 氷見しあんの記録
通院
身長が数cm伸びていた以外何もなかった健診を兼ねた検査を終え、予約していた精神科へ。
診察室に通され、田舎の病院の時と同じように検査の後持たされた書類を医師に手渡して。
顔合わせの挨拶をしてから診察が始まった。

体調を尋ねられ、隠すこともないので素直に答える。
異常といえば異常だが、日常生活では特に問題はないのであまり気にしていなかった。
次いで昨年倒れる原因となった件についてと両親をどう思うか尋ねられて。

田舎から出てきて一人暮らしなんて我儘でしかない。
付き添って世話をされることはなくなったが、金銭面では今も全面的に支えてもらっている。


胸が冷たくなる感覚。軽く咳き込んでしまって。視界がぼやけて揺れた。
きっと酷い顔をしていたんだろう。
落ち着いたところで大丈夫かと声をかけられ、胸をさすりながら一つ頷く。


睡眠不足は環境の変化が原因かと問われてそれもあると答え、
重ねていくつか質問された後医師はカルテに何か書いて睡眠薬を処方すると言ってきた。

入眠を助けるだけの軽いものだと言うので、
だめだったらやめればいいかと考えて受け入れる。
幸い怖そうな医師ではないから合わなかった場合も言い出しやすい。
他にも変わったことや不安はないか尋ねられて、
特に問題ないと答えればあとは紹介状を見ながらの質問が続いて。
最後に何かあれば予約前でも来るよう念を押されて、この日の診察は終了した。
診察室に通され、田舎の病院の時と同じように検査の後持たされた書類を医師に手渡して。
顔合わせの挨拶をしてから診察が始まった。

「――こちらに越してきてからは特に何も……あ」
「右手が少し痺れてますけど、これは前から
……はい、その件から続いてるだけです」
体調を尋ねられ、隠すこともないので素直に答える。
異常といえば異常だが、日常生活では特に問題はないのであまり気にしていなかった。
次いで昨年倒れる原因となった件についてと両親をどう思うか尋ねられて。

「あの件は……事故、みたいなものだと。
両親のことは良い人たちだと思ってますし、今も昔も感謝してます」
「世話になってるくせに酷いことを言って、謝りもしないで対面も避けて。
それでも変わらず大切にしてもらえて……本当にありがたいです」
田舎から出てきて一人暮らしなんて我儘でしかない。
付き添って世話をされることはなくなったが、金銭面では今も全面的に支えてもらっている。

「ただ」

「思ってもいないのに話を合わせてた」
「それだけが、どうしても許せなくて」
胸が冷たくなる感覚。軽く咳き込んでしまって。視界がぼやけて揺れた。
きっと酷い顔をしていたんだろう。
落ち着いたところで大丈夫かと声をかけられ、胸をさすりながら一つ頷く。

「すいません、大丈夫です」

「少しくらっとしたけど、それはたぶん睡眠不足のせいで……」
睡眠不足は環境の変化が原因かと問われてそれもあると答え、
重ねていくつか質問された後医師はカルテに何か書いて睡眠薬を処方すると言ってきた。

「以前出された時はどれもめまいや日中の眠気が酷くて
睡眠薬はやめたんですけど……」
「また違うやつを……はい、わかりました」
入眠を助けるだけの軽いものだと言うので、
だめだったらやめればいいかと考えて受け入れる。
幸い怖そうな医師ではないから合わなかった場合も言い出しやすい。
他にも変わったことや不安はないか尋ねられて、
特に問題ないと答えればあとは紹介状を見ながらの質問が続いて。
最後に何かあれば予約前でも来るよう念を押されて、この日の診察は終了した。