RECORD

Eno.608 五稜 拓海の記録

EX 帰省ラッシュは悪い文明

お盆、帰省ラッシュにもまれながらダラダラと地元に帰郷。
全く何も変わらない、ちょっと背伸びした駅前の市街から少し離れるとチンピラが闊歩するし、ヤーな人達がバックにいそうなピンク街。

そこからちょいと各駅停車でダラダラ揺られたらそこが実家。
ちょっと海側の灯台がちょっとしたランドマークな港町。

親と積る話をして、それから地元をブラついた。

俺のネーチャンを狙っているアホの駐在、酔っ払ってノリと勢いで心霊スポットに行ってたまり場にしていた不良を幽霊と称して〆た双子の先輩。
高校時代の馴染み・・・みんな相も変わらずアホだった。

――――――

「なんもカワンネー。まあGWの時も会ったしそりゃそうか」



「おどれも相変わらずアホで変わらんから安心せい。あとパピコ片方くれや」



「やらんし、お前も相変わらずアホやからお互い様じゃい」



「つっても、変わらないもんもあるけど変わる事もあんだよな。おい、お前の竿ひいとるぞ」



「お、マジだ。・・・ちっ。ここの釣り堀の魚も相変わらず餌だけもってきやがんな」



「で、変わる事ってなんだよ」



「たとえば―――。この街の土地神。」



「土地神ぃ?」



「そ、土地神。つーてもそれを気取ってた裏側の怪奇。」



「そーゆーのって変わるもんか?変わったら一大事じゃねーの?」



「そーかもなあ、でもそれが寿命・・・大往生でなら別。ピリつくけどな」


「怪奇に寿命ってあんのかよ」



「人々に忘れ去られ神秘が薄まれば死ぬやろ。」



「フーン。」



「そーゆー反応やろな。俺もそーやし。」



「でも変わるってどうゆーこっちゃ?」



「この辺の裏側のドンが変わるって事、裏側を纏める顔役が。」


「勝手にしろよ、片田舎の小規模な裏側なんぞ俺は興味ねえ」



「そー言うなやー。なんでワテがあっつい中お前を釣り堀なんぞに呼び出した思ってんねん」



「手伝わんぞ」



「まー聞けって、今ほそぼそとやっとるウチじゃちょっと面倒なことになっててなあ?」



「どいつを土地神として置くかみたいな感じで揉めてんのよ。
お役所も一枚岩じゃのうてなあ、みみっちぃ派閥の争いがあってのう。
どーにかせいって言われたけど、表立って内ゲバって形はまずいしどーしたもんかなーって時におどれが帰省してきたんやんか~。そこそこやれて神秘に触れてるけど”一般人”のおどれが~」


「つまり、俺を代理戦争に使おうって?」



「そゆこと!お前にしてはえらいな~」



「ふざけんじゃねえよてめえ!おめーらのくだんねえ内ゲバに巻き込むんじゃねえ!」



「あー?そーゆー事言うん?おどれ俺の刀壊した癖に」



「・・・・・・」



「あーあ、あれ高いんだよなあー。特殊な隕鉄で戦国時代に作られたもんでさあ。刀身が玉鋼に反応して赤く染まってなあ~」



「わーったよ!やればええんやろ?やれば!ただし!盆の間だけな!盆開けたら途中だろうと俺は帰る!」



「へいへい・・・あ!せや。これやるわ」



「あ?んだよピプトンなんて、しかもレモンかよピーチにしろよ」



「コンビニのクジで当たったんやけど俺も飲まへんからやるわ、ほなまた連絡するさかい精々地元を楽しめや」



「ったく・・・俺も帰るか。」