RECORD
Eno.63 十束静海の記録
モルディブにて
朝の海は、静かにきらめいていた。透明な水面に太陽が反射し、白い砂浜まで淡い光を届けている。
「……異常なし」
静海はコテージの軒下から、双眼鏡越しに水平線を見つめた。桟橋の先には誰もいない。いや、船もいない。完璧だ。
一方で瑚白は、シュノーケルを装着し、海中に顔を突っ込んでいた。泡と一緒に小魚たちが逃げていく。
「うーん、こちらも異常なし……かな?」
小さな波を蹴りながら、瑚白は海底の砂を少し蹴散らす。カニたちがあわてて逃げていく。
二人はもちろん、のんびりくつろぐと嘘を言い、同行者には気付かれないように、影のように行動している。
「今日も不審者ゼロだな……」
静海が呟くと、瑚白はこっそりと海面から顔を出し、陽気に手を振った。
「課長ー、後でダイビング行きませんか」
「良いけど俺ら2人とも離れるわけにはいかないしなあ…分かれるにしても日本人が居るところに行かせた方がいいし」
二人はひそひそ作戦会議をしつつも、完全にカオスな行動を続ける。
ところが、そんな二人の様子を、実は宝楽はすでに見抜いていた。
砂浜の向こうで、設置されたソファの上で寛ぎ、波の音に癒されつつも微笑みながら眺めている。
「やっぱりな……」宝楽は小さく呟き、鼻歌を口ずさみながら影で二人を見守った。
昼過ぎ、静海と瑚白は監視任務にひと区切りをつけた。
「今日も異常なし。完璧だな」
「瑚白も海からのチェック、完璧だった」
すると、足元で小さな影が立った。宝楽だ。
「おい」
二人は一瞬、砂浜に目を落とす。
「えっ、ばれてた……?」
瑚白の動きが硬直する。静海も慌てて双眼鏡をしまう。
「まあ、いいんじゃないか?お前らもちゃんと休めよ」
宝楽は笑顔のまま、二人の肩に手を置いた。
夕焼けの海と波音に包まれて、三人はなんだか、少しだけ秘密の共有をしたような気分になった。
砂浜に足跡を残しながら、夕陽に向かって三人は歩く。
今日も、異常はなく、平和で、ちょっとカオスな一日が終わろうとしていた。
「……異常なし」
静海はコテージの軒下から、双眼鏡越しに水平線を見つめた。桟橋の先には誰もいない。いや、船もいない。完璧だ。
一方で瑚白は、シュノーケルを装着し、海中に顔を突っ込んでいた。泡と一緒に小魚たちが逃げていく。
「うーん、こちらも異常なし……かな?」
小さな波を蹴りながら、瑚白は海底の砂を少し蹴散らす。カニたちがあわてて逃げていく。
二人はもちろん、のんびりくつろぐと嘘を言い、同行者には気付かれないように、影のように行動している。
「今日も不審者ゼロだな……」
静海が呟くと、瑚白はこっそりと海面から顔を出し、陽気に手を振った。
「課長ー、後でダイビング行きませんか」
「良いけど俺ら2人とも離れるわけにはいかないしなあ…分かれるにしても日本人が居るところに行かせた方がいいし」
二人はひそひそ作戦会議をしつつも、完全にカオスな行動を続ける。
ところが、そんな二人の様子を、実は宝楽はすでに見抜いていた。
砂浜の向こうで、設置されたソファの上で寛ぎ、波の音に癒されつつも微笑みながら眺めている。
「やっぱりな……」宝楽は小さく呟き、鼻歌を口ずさみながら影で二人を見守った。
昼過ぎ、静海と瑚白は監視任務にひと区切りをつけた。
「今日も異常なし。完璧だな」
「瑚白も海からのチェック、完璧だった」
すると、足元で小さな影が立った。宝楽だ。
「おい」
二人は一瞬、砂浜に目を落とす。
「えっ、ばれてた……?」
瑚白の動きが硬直する。静海も慌てて双眼鏡をしまう。
「まあ、いいんじゃないか?お前らもちゃんと休めよ」
宝楽は笑顔のまま、二人の肩に手を置いた。
夕焼けの海と波音に包まれて、三人はなんだか、少しだけ秘密の共有をしたような気分になった。
砂浜に足跡を残しながら、夕陽に向かって三人は歩く。
今日も、異常はなく、平和で、ちょっとカオスな一日が終わろうとしていた。