RECORD

Eno.232 月影誠の記録

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「―― それで、よ。
 今日はこっちのクラスの奴ら何人かとゲーセン行ってきてん」



「流石東京、学生の身分で行けるとこにゲーセン行けるとかええなぁ。
 こっちなんか精々あのショッピングモールん中くらいにしかないやん」



「規模は比べ物んならんかったで。
 ゲーセン単体なんか俺らんとこあらへんよなぁ」



「高校行くのも山越えやしな。
 マジで学校近いの羨ましいわ。自転車で40分やぞこちとら」



「や~~~ そこはほんま高みの見物できるわ。
 寮から学校まですぐそこ。
 まあ俺はザリガニ釣りにでかけるからあんま関係あらへんねんけど」



「ほな何で今俺のこと煽った???」





最初はメッセージを何回かやりとりして、結局電話になって。
そうして翼の提案で、「変わったことがあったら翼に報告する」ことになった。
自分の精神状態の見つめ直しや改善のために付き合う、と申し出てくれたと同義だ。

とはいえ長電話をするわけでもなく、10分程度の軽い会話。
勿論何もなければ連絡をしないし、きついときはそれ以上に話す。
忙しいときはまた今度。

そんな感じの、ごくごく普通の、友人とのやりとりだ。





「……そんで、俺は用事あったから帰って、
 終わってからお前の好きなキャラのプライズとかあるんやろか、って
 見に行こうとしたんよ」



「そしたらなんか最強を証明するための写真撮影するんなっとって」



「最強を証明するための写真撮影ってなに???」



最強を証明するための写真撮影やけど。
 途中で俺が来たから、俺が混ざってもうて。
 わちゃわちゃな写真になってもうたんよな」



「……素直に帰っとったら、俺はそこにおらんかったのになあって」



「ほぉーーーん。
 んで、お前はちゃんと混ざったんやな。やるやんけ」



「念のため聞くんやけど、
 自分が居らんかった方がよかった~~~!!
 そっちの方が皆の為や~~~!!
 って、思とる?」



「…………いや」



「罪悪感っちゅうか、忌避感、っちゅうか。そういうんはある。
 俺なんかが混ざってもうて、って……
 そうは思うとるとこがある、けど、」



「俺のこと、邪険にしようと思ったんとちゃうのは分かっとる。
 ……せやなかったら、俺が来たときに入れって言わんかったやろから」



「ほーーーん」



「まあ及第点はやれるな。
 昨日のめしょめしょしおしおおしまいネガティブ野郎と比べたら
 見違えるようやわ。やっぱ俺、お前の扱いごっつ上手いな」



お前のその自分に対する自信どっから出てくんねん。
 え、そこは俺をよう頑張ったなって褒めるとこやろ」



「あーはいはいがんばったがんばった。
 もどってえらかったでちゅね~~~」



ぼてくり回したろか、ゴラ






「で、本題やけど」



「楽しかったか?」



「…………あぁ、」




「ごっつ、楽しかったわ」




「……ほん。ならええわ」



「後でサーフにその写真送っといてんか。
 説明聞いとってもイカれとってなぁーんも分からん。
 なんやねん最強を証明するための写真撮影って。
 意味分からんすぎて逆に見てみたいわ」



「おう、別にええよ。
 お前やったら何も変なことに使わんやろし」



「これで変なことに使うやつがおるんやったら友達やめてまえ」





  ・
  ・
  ・



「ほーんまあいつ、またあのとき見たいんなったなあ。
 思い出すわ、あのすっかりしおらしくなってもうたんを」



「……お、送られてきた。どれどれ?」






「……へぇ」




「ごっつロックでええやん」