RECORD
Eno.22 雲隠 運太郎の記録
─2015年
雲隠家。
俺はこの家が大好きだ。
親父とお袋は医者だった。
曽祖父が興した大きな病院に沢山の人が集って、元気になって、去っていく。
その姿を何度も見てきた。
俺の両親は本当にすごい人だった。
もう俺も12歳になる。
だから恥ずかしくて面と向かっては言えてないけど、




あの暖かさを俺は決して忘れないだろう。
そして何よりも、

俺には大切な弟がいた。
留次郎。
体が弱くて一緒にボール遊びとかはできないけど、
とっても頭が良くて、俺が呼んでもチンプンカンプンな本をいつも読んでいる。

疲れてそうならいつも背中に背負ってやった。
俺の背中で静かに寝息を立てる留次郎の重みが幸せだった。
留次郎はきっと、将来医者になるのだろう。
俺は留次郎のように頭が良くはない。
でも、雲隠家にはもうひとつ秘密があって……
裏世界と呼ばれる世界で、世界を害するものと日夜戦っていた。
その世界で俺は大人よりも強かった。
だから表の病気は留次郎が治して、
裏の悪いものは俺が祓う。
そうやって背中合わせに世界を良くしていける事がとても嬉しかったんだ。
俺は本当に、この家に生まれることが出来て、
幸せだ。
◯蟻の巣
─2015年
雲隠家。
俺はこの家が大好きだ。
親父とお袋は医者だった。
曽祖父が興した大きな病院に沢山の人が集って、元気になって、去っていく。
その姿を何度も見てきた。
俺の両親は本当にすごい人だった。
もう俺も12歳になる。
だから恥ずかしくて面と向かっては言えてないけど、

「運太郎、よくがんばったな」

大きな手で撫でられるのが好きだった。

「貴方は体が丈夫だけれど、無茶をしたらダメよ」

抱きしめられるのが好きだった。
あの暖かさを俺は決して忘れないだろう。
そして何よりも、

「……兄さん」
俺には大切な弟がいた。
留次郎。
体が弱くて一緒にボール遊びとかはできないけど、
とっても頭が良くて、俺が呼んでもチンプンカンプンな本をいつも読んでいる。

「疲れた?
俺が運んでやるから、ゆっくり休めよ留ちゃん」
疲れてそうならいつも背中に背負ってやった。
俺の背中で静かに寝息を立てる留次郎の重みが幸せだった。
留次郎はきっと、将来医者になるのだろう。
俺は留次郎のように頭が良くはない。
でも、雲隠家にはもうひとつ秘密があって……
裏世界と呼ばれる世界で、世界を害するものと日夜戦っていた。
その世界で俺は大人よりも強かった。
だから表の病気は留次郎が治して、
裏の悪いものは俺が祓う。
そうやって背中合わせに世界を良くしていける事がとても嬉しかったんだ。
俺は本当に、この家に生まれることが出来て、
幸せだ。