RECORD
Eno.295 ーの記録
3.喧嘩。
真面目に授業も聞いて、今日はしっかりとしたなーって思ったところ。
寄り道もせずに家に帰ってきて。
我ながら偉いなーと思ってたところで、姉に言われた。
「アイカ。今日は夜は家に居なさい。最近ずっと遅いでしょ」
「えー、いいじゃん」
「ダメです。お姉ちゃんだって怒ります」
「……むー」
不満足。真面目にやったぶん、夜にまた喫茶店探しとかしたかったのに。
「いいじゃん、遅くならないようにするからさー」
「今日はダメ。学校でもお友達できないでしょ、ずっと寝てたら」
決めつけたような言い方にカチンと来た。
普段のボクなら流したんだろうけど。
「……勝手に決めつけないでくれる?」
語気が強くなってしまう。
「学校での友達ならできてるよ。ボクだって友達作ろうといろいろ頑張ってるんだけど」
「……アイカ」
「だいたい友達作れって言ったのお姉ちゃんじゃん。
なのに友達作ろうといろいろ動いてるボクをなんで止めるのさ」
姉は黙っている。
ボクも言い過ぎたかな、と思うけど。後には引けなくて。
「……もう知らない。今日は夕飯要らないから。外で食べてくる」
最低限の荷物だけ持って家を出て行く。
そのボクの行動を、姉は止めなかった。
姉の顔は見れなかった。けど、どんな表情だったのかは想像がつく。
……やっちゃったな、と思う。
でも、素直じゃない性格の自分はすぐに謝る術を知らなくて。
「……ああもう」
姉の気持ちはわかってる。
でもこの感情じゃ落ち着いて話せない。
ボクはどこかで時間を潰そう、と家を出た。
ーーーーーー
数時間後。
こんな気分でひとりでゲーセンやカラオケに行っても気は晴れなくて。
かと言ってこの愚痴を語れるほどの親しい相手はまだ居なくて。
「……らしくないなあ」
カラオケルームで呟く。
こんなことをしてても仲直りはできない。
時間が解決してくれるものもあるけど、今はそうじゃない、気がする。
「……」
Surfを起動する。
『ごめんね』
と、一言だけ送る。送り先は、もちろん、姉に。
すぐに返事が来る。
『帰っておいで』
ってだけ。
「……帰るかー」
考えても仕方ない。
カラオケルームを後にして。アパートへと戻って。
「ただいまー」
「おかえり、アイカ」
どうしようか、と悩んで。
少しの沈黙の後。先に口を開いたのは姉。
「ごめんね。お姉ちゃん、アイカの頑張りに気付けなくて」
「ううん。ボクも悪かったから」
「怒ってない?」
「お姉ちゃんの気持ちはわかってるから」
「……ありがと、アイカ」
……やっぱり姉とは仲良く居たい。
この世界で唯一の理解者で、遠慮せず話せる相手で。
大事なお姉ちゃんだから。
「今日は、一緒に寝ようかな」
「もう子供じゃないって嫌がってたのに?」
「まだ子供だよ、ボクは」
そう。まだまだ子供なのだ、ボクは。
高校や大学の先輩……いや。
同級生と比べても、まだまだボクは子供だ。
なら、その特権に甘えるのも、たまにはいいだろう。
……寝る前。
「お姉ちゃんね」
「ん?」
「アイカともっとお話したかったの。朝は早いし、夜は遅くまで帰ってこないから」
「寂しかったの?」
「そうなるかな。お姉ちゃんにとって大事な妹ですからね、アイカは」
「……そっか」
姉もずっと居るわけじゃないんだ。
居る間は、もう少し、早く帰ってくるようにしよう。
「……明後日には帰るからね」
「明後日なんだ」
「月曜日からお仕事だから。ギリギリまでは居てあげられるけど」
「ん、わかった。じゃあ、おやすみ。お姉ちゃん」
「おやすみ、アイカ」
寄り道もせずに家に帰ってきて。
我ながら偉いなーと思ってたところで、姉に言われた。
「アイカ。今日は夜は家に居なさい。最近ずっと遅いでしょ」
「えー、いいじゃん」
「ダメです。お姉ちゃんだって怒ります」
「……むー」
不満足。真面目にやったぶん、夜にまた喫茶店探しとかしたかったのに。
「いいじゃん、遅くならないようにするからさー」
「今日はダメ。学校でもお友達できないでしょ、ずっと寝てたら」
決めつけたような言い方にカチンと来た。
普段のボクなら流したんだろうけど。
「……勝手に決めつけないでくれる?」
語気が強くなってしまう。
「学校での友達ならできてるよ。ボクだって友達作ろうといろいろ頑張ってるんだけど」
「……アイカ」
「だいたい友達作れって言ったのお姉ちゃんじゃん。
なのに友達作ろうといろいろ動いてるボクをなんで止めるのさ」
姉は黙っている。
ボクも言い過ぎたかな、と思うけど。後には引けなくて。
「……もう知らない。今日は夕飯要らないから。外で食べてくる」
最低限の荷物だけ持って家を出て行く。
そのボクの行動を、姉は止めなかった。
姉の顔は見れなかった。けど、どんな表情だったのかは想像がつく。
……やっちゃったな、と思う。
でも、素直じゃない性格の自分はすぐに謝る術を知らなくて。
「……ああもう」
姉の気持ちはわかってる。
でもこの感情じゃ落ち着いて話せない。
ボクはどこかで時間を潰そう、と家を出た。
ーーーーーー
数時間後。
こんな気分でひとりでゲーセンやカラオケに行っても気は晴れなくて。
かと言ってこの愚痴を語れるほどの親しい相手はまだ居なくて。
「……らしくないなあ」
カラオケルームで呟く。
こんなことをしてても仲直りはできない。
時間が解決してくれるものもあるけど、今はそうじゃない、気がする。
「……」
Surfを起動する。
『ごめんね』
と、一言だけ送る。送り先は、もちろん、姉に。
すぐに返事が来る。
『帰っておいで』
ってだけ。
「……帰るかー」
考えても仕方ない。
カラオケルームを後にして。アパートへと戻って。
「ただいまー」
「おかえり、アイカ」
どうしようか、と悩んで。
少しの沈黙の後。先に口を開いたのは姉。
「ごめんね。お姉ちゃん、アイカの頑張りに気付けなくて」
「ううん。ボクも悪かったから」
「怒ってない?」
「お姉ちゃんの気持ちはわかってるから」
「……ありがと、アイカ」
……やっぱり姉とは仲良く居たい。
この世界で唯一の理解者で、遠慮せず話せる相手で。
大事なお姉ちゃんだから。
「今日は、一緒に寝ようかな」
「もう子供じゃないって嫌がってたのに?」
「まだ子供だよ、ボクは」
そう。まだまだ子供なのだ、ボクは。
高校や大学の先輩……いや。
同級生と比べても、まだまだボクは子供だ。
なら、その特権に甘えるのも、たまにはいいだろう。
……寝る前。
「お姉ちゃんね」
「ん?」
「アイカともっとお話したかったの。朝は早いし、夜は遅くまで帰ってこないから」
「寂しかったの?」
「そうなるかな。お姉ちゃんにとって大事な妹ですからね、アイカは」
「……そっか」
姉もずっと居るわけじゃないんだ。
居る間は、もう少し、早く帰ってくるようにしよう。
「……明後日には帰るからね」
「明後日なんだ」
「月曜日からお仕事だから。ギリギリまでは居てあげられるけど」
「ん、わかった。じゃあ、おやすみ。お姉ちゃん」
「おやすみ、アイカ」