RECORD

Eno.279 葦原奏翔の記録

30:死への恐怖【葦原奏翔】

「死への恐怖、なぁ…」



あるかと言われたら、多分無い
否、違うか…?
無いではなく悟りか?
人生は一つの作品
その者の集大成であるならば生もその道中も死も
全てが一つの作品の一部と考えてしまう訳で

嗚呼、当然だが死ぬつもりはない
中学時代に生死の境を彷徨ったりしたし色々有りすぎて確かに希死念慮も有ったが
今は乗り越えているし此処は誤解されたくない
只、残された者達がどうなるか容易に想像がつくし
俺もまだ『音楽家になる』という夢とか叶えてないし捨てる気もない
だからまあ
色々と策やら練って動いていたり
『此れくらいならやれる筈だ』と経験からちょっとだけ余裕を持たせた限界値までの範疇の働きをする訳だが

そしてこれも当然だが最愛や家族、仲間等が道半ばでそうなるのも困る
人生という作品を描き書ききってほしいのが本音ではあるし単純に見たくないから危険が降りかかるなら止めに行く所存ではある
………まあ、見たくないは別に大多数の人が考える普通だよな

人として健全なのか

というのはなんと言うか一種の命題かもしれん
恐怖し過ぎるのは宜しくないだろうが恐れなさ過ぎるのも危険なのも是で
ならば俺の考えは後者寄りになるが不健全なのか?

「だとしたら自信を無くしてしまうがね………」



画家で言うなら人生は白いキャンバスで音楽家で言うならまだ何も書かれてない五線譜か
色んな経験を経て最期まで描き書ききってやるのが人生だと思ったのだが
うぅむ、難しいな…死生観というものは



【葦原奏翔】