RECORD

Eno.233 綾羽 衣織の記録

綾羽 衣織

あなたが得た神秘は神の力に由来するモノです


突如告げられたのは耳馴染みの無い言葉。
普通の学園生活を送ろうとしていた少女には、いまいちピンと来なかった。

はぁ、そうなんや


だが、既に普通とはかけ離れたモノに遭遇したのも事実。
そういったモノに詳しい、機関と呼ばれる存在から告げられたのならばそうなのだろう。

ただ、妙なんです。影響を受けている神が大物でして


……本当にこれまで神秘に関する事象に遭遇していないのですか?



あんなもん遭遇しとったら覚えとるわ!知らん知らん!



……そうなんですよね。それも事実だと思うんです


歯切れの悪い職員。神に関係するモノと言われても少女に心当たりなどない。
関西に住んでいた頃も、こちらに来てからも、神と呼ばれる存在に何かをした覚えなど無い。

……では、質問を変えましょう


七福神 恵比寿天えびすてんという神をご存知でしょうか?


その質問に少女はきょとんした表情を見せる。

"えべっさん"なら知ってんで?


人類は科学を選び、神秘は忘れられ表世界から消えた。
だが、消えていないモノも存在する。

それは風習と呼ばれるモノに隠れた。
それは地域特有の文化に紛れた。

まるでカポエイラのルーツのように、全く別のモノとして認識されていた。

神秘名:十日戎とおかえびす

大きな神の力を行使するには、神への奉納が必要となる。
そして、恵比寿天に纏わる神社のほとんどは関西に集中しているという状況。
ならば、神への奉納も関西に由来したモノであってもおかしくはない。

…………嘘でしょ



どないしたん?



彼女の行動の全てが、神への奉納として作用していた。