RECORD

Eno.395 星多 萠の記録

それは澄んでいて

夏休みも中頃。
そろそろ帰省を終え、寮に戻ろうという時間。

家を出る前にキッズベッドのそばへと行くと、
小さな小さな弟が、すやすやと寝息を立てている。


「お片付けお手伝いできるようになったんだって?
前はぐちゃぐちゃだったのにねえ。すごいねえ」



帰ってきていたのに、ろくに相手をしていなかった。
自分は今、情けない表情をしているのだろう。

彼を起こさないよう、そっと枕元にクラゲを置く。
お風呂で遊べるタイプの、チープなおもちゃ。


「またね」



わたしは立ち上がり、荷物の入ったバッグを持って玄関へと向かった。


弟への、初めてのプレゼント。

反応は要らない。
見るのがこわいから。