RECORD
Eno.160 琉華院 いのりの記録

いつもと同じようでどこか違う街。
空はいつもの青じゃなくて紫紺に染まっている。
ここはどこなのか。どうして迷い込んでしまったのか。全くわからない。

どこからか声が聞こえる。

とても小さい声。
けれど、誰かに呼ばれているような気がした。

声の方向へフラフラと歩いていく。
声が近づくたび、その声に聞き覚えがあるような気がした。

気づけば、湖の辺にいた。
水の中で、何かがヒラヒラと揺らめいた。
















パキン。
帰り道、足に小さな音と痛みと違和感を感じた。


足首を見てみると、そこには朱色の鱗。
再会

「うーん…… ここどこ~?」
いつもと同じようでどこか違う街。
空はいつもの青じゃなくて紫紺に染まっている。
ここはどこなのか。どうして迷い込んでしまったのか。全くわからない。

「───…………」
どこからか声が聞こえる。

「…………?」
とても小さい声。
けれど、誰かに呼ばれているような気がした。

「───…………」
声の方向へフラフラと歩いていく。
声が近づくたび、その声に聞き覚えがあるような気がした。

「………………。」
気づけば、湖の辺にいた。
水の中で、何かがヒラヒラと揺らめいた。

「……………………。」

「…………!」

「…………久しぶり。『あの時』以来だね。」

「あの時から随分とおっきくなったね。……ねぇ、覚えてるかな。いのり。」

「…………!!」

「うんっ!覚えてるよ。あの時のことは、今でもハッキリと。でも、どうしてここにいるの?」

「……それはこっちの台詞だよ。君こそどうしてこんなところに迷い込んだの?」

「わ、わかんない……。でもこんなところにいて大丈夫?外とかすっごい怖いことになってるけど……。」

「僕は…… 平気。他の皆より力はないけど、ここで生きていける程度には丈夫だよ。」

「で、でもでも!危ないよ!こんなところ!」

「……そうだっ、あたしの部屋に住むってのはどうかな?皆には金魚のペットってことにして…………」

「………………。」

「いのりのペット、かぁ。確かにそれも、悪くない…… かも。」

「でしょでしょっ!名案でしょ!うんっ!それじゃ、さっそく帰ろ!」

「…………大丈夫?帰り道、わかる?」

「…………教えて欲しいかも……。」
パキン。
帰り道、足に小さな音と痛みと違和感を感じた。

「…………?」

足首を見てみると、そこには朱色の鱗。

「これ、なんだろ……?」