RECORD

Eno.1461 篠崎 駿の記録

再開、友よ[side陽介]

この前からなんかずっと、モヤモヤしてた。いや、モヤモヤってのは軽いか。胸の奥に重たいもんがずっと引っかかってるそんな感じ。


原因は分かってる。あいつだ。俺の相棒、駿のことだ。

駿とは、昔からずっと一緒に馬鹿やってきた。どんなバカなことでも、アイツと一緒なら笑い合えた。

なのに、二年前から全然連絡してねえ。半ば、アイツの事を諦めてた俺も悪いんだけど…なんか、アイツの声聞いてねえと、落ち着かねえんだよな。

昔、駿がポロっとこぼした言葉が頭に残ってる。

「余計なこと言っちまいそうで、怖え」って。あの時、アイツの目、なんか暗かった。俺、ちゃんと聞いてやれなかった。

あの日以来、アイツのことが頭から離れねえ。

今日、久しぶりに親父が「長期休みやるぞ」って言ってきた。いつもなら「マジか!やったぜ!」って感じで旅行とか考えるんだけど、今回は即決だった。

アイツに会いに行く。なんか、そんな気がしたんだ。いてもたってもいらない、みたいな。

スーパーの四階のフードコートでスマホを手に持って、高橋のヤツから教えてもらったアイツの番号見つめてた。知らねえ番号からかけることになるから、ビビるかな?なんて、ちょっとニヤけながら電話をかけた。どうでもいい。

誰かと話したいって気分なら、俺で十分だろ?相棒なんだから。

「…もしもし…」

アイツの声、なんか疲れてる。いや、でも、ちょっとホッとしたような響きもあった。よし、いっちょ盛り上げてやるか!

「おぉー!!ようやく出た!!久しぶりだな相棒!!」

「…お前…もしかして陽介か?」

「そうだよ!お前のマイベストフレンド『御剣陽介』!」

ハハ、アイツ、ちょっと声震えてんじゃん。懐かしさでグッときたのか?それとも…なんか、泣いてる?マジかよ、アイツが泣くなんて、めっちゃレアじゃんなんて思いながら会話を続けた。

「おいおい、お前…泣いてんのか!?めっずらしいな〜お前が泣くなんて!」

「ほっとけよ…馬鹿野郎…!!」

アイツの声、ちょっと笑ってるみたいで、なんかホッとした。やっぱ、アイツの声聞くと元気出るわ。俺も、なんか自然と笑顔になってた。

「そういえば、どうした急に?何か用か?」

アイツの質問に、俺はテンション高めで答えた。

「親父が久しぶりに長期休みくれる事になってな!そこで今からお前に会いに行きマース!!って事で電話したんだ」

「はぁ!?会いに来る!!?マジで言ってんの!?」

アイツ、めっちゃビックリしてるじゃん。ハハ、そりゃそうだよな、急にこんなこと言われても。けど、俺、マジだぜ。

「マジよ!マジ!いやなぁ、高橋が夏の頃お前ん所行ってきたって話をずーっとしてからな、俺もお前に会いたくなっちまった。それにそこにもあるんだろ『アレ』。お前一人じゃ厳しいからな、まっ、追加戦士的なあれって事でお前のサポートもしてやんよ」

『アレ』ってのは、ここじゃない裏の世界。見た事ない化け物がわんさかいる危険な場所。

アイツ、あっちじゃ、一人で戦ってるみたいでさ。それを聞いて、いてもたってもいられなくなったんだ。

俺、アイツの相棒だろ?置いてかれちゃ困るぜ。

「…いや、正直言って助かる…俺、やっぱり一人は無理だ…だからさ…その…助けてくれ…」

アイツの声、なんか必死で、でもホッとしたみたいだった。俺、一瞬言葉詰まった。アイツがこんな風に素直に頼ってくるなんて、初めてじゃねえか?胸が熱くなって、鼻がツンとした。

「バーロー、助けるに決まってんだろ。なんせ俺はお前のマブなんだからよ」

軽いノリで言ったけど、俺、マジでそう思ってる。アイツがどんな状況でも、俺はアイツの味方だ。昔からずっと

「それじゃ、来週の月曜くらいからお前んとこ来るわ、ついたらなんか美味いもん食わせてくれよ」

「あぁ、約束する…!!」

「そりゃあ、楽しみだな…あばよ、相棒…」

電話切った後、なんか胸のモヤモヤがスッキリしてた。アイツの声、昔と変わんねえな。ちょっと疲れてる感じはあったけど、でも、アイツはアイツだ。俺、やっぱアイツに会いに行って正解だな。

そういや、高橋から預かってた伝言、送っとかねえと。スマホ開いて、サクッとメール打った。

『高橋からの伝言。風邪引くなだってよ( ̄▽ ̄)』

送信ボタン押して、ふと空を見上げた。星がキラキラしてて、なんかやけに綺麗だった。アイツも今、同じ空見てんのかな。なんて、ちょっとセンチな気分になりつつ、ニヤっとした。

「相棒、待ってろよ。俺が全部ぶっ飛ばしてやるからな」

俺たちは、どんなに離れてても、ちゃんと繋がってる。それを、今回のことでちゃんと確かめに行くぜ。