RECORD
Eno.1015 灰原 よたの記録



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天体観測_03



多摩科連。カレントコーポレーション。
高専のキャンパスの一室に通されて、校長と話をして、
裏世界に向かって、社長と話をして。
本当に、話は全部とんとん拍子に進んでいった。
彼らも多忙の身だろうに、赴けば嫌な顔ひとつせず、
むしろ申し訳ないとも言いたげな風に優しく対応してくれた。
最初の不安、秘書さんに食いつくように問うたことも、暫くしたら頭から抜けてしまうくらいに。
彼らは多くのことを考えていて、それに感化されているという自覚も、薄らあった。

通された部屋にあった多くの荷物や段ボールを覚えている。
忘れられない光景のひとつだ。見るまでは、自分の身に起きた出来事が、何百万人に一人の偶然で運命で……だとか、
そうしたことを空想めいて考えたものだけど。
本当は。
本当は、同じようなやりとりを、秘書さんも、校長も社長も、何度も繰り返していて。
僕はその中の一人なのだと。
……彼らとのやりとりでは、全く察しのつかなかったことだけど、きっとそうなのだと。
事実、営業所には多くの人がいた。
カレント・コーポレーションに所属することを決めた人も、元々そうであった人も、
まだ、迷っている人もいるみたいだった。
これから起きること、今起きていること、多くの人は知らないままで。
不安やら一体感やらで、意識がぐるぐるしていた。





一瞬、施設を出るまで、そこが裏世界にあると忘れていたくらい。
星が見えない。肉眼でも映らない。
この世界にも同様に宇宙があるから、太陽が昇らず下りずにあると思っていたけれど。
……上を向いている暇が、本当に、あるのだろうか。