RECORD

Eno.101 賽磐トルハの記録

【日記】春の日

拝啓、弟へ

僕らの育った町へ戻ってきて、一年。
いつか会えた時のため、日記を残すことにしました。

今日は、公園に行きました。覚えてる?みんなで遊んだ、あの小さな空き地。
時の流れは速いもので、空き地は公園の一部になっていたよ。
立派な設備に、高い柵。
かつては入れた草原には、立ち入り禁止の看板が立っていたけれど...
あの時あった木は、今もなお花を咲かせていた。

お弁当をもって、新しいベンチに座って食べているうち、花弁が舞う中で
枝に、一匹の蝶が止まっているのを見つけたんだ。
きっとあの子は、僕たちのいた時から。
卵、芋虫、さなぎ、成虫、そしてまた卵と、その流れを継いできたんだろうね。
もしかしたら、その兄弟は僕たちが捕まえたのかもしれないし…

いつか戻ってきたら、また虫取りをしたい。
新しい友達と一緒に...
...なんて、きっとそんな年じゃあないだろうけれど。
とにかく、いつか会って...そしてどんな形であれ、遊ぼうね。
大好きだよ

お兄ちゃんより