RECORD

Eno.232 月影誠の記録

11/10


「……はい。お疲れさん。無事完走でけたなあ」



「このゲームはこれでしまいや。
 考察し甲斐のあるゲームやし、お前のPCにゲーム落としたから
 向こうに帰ってから2週目を新たに始めるんもええで」



「…………」



「…………ッスゥウウーーーーー」



「なんか思った以上にこのゲームに壊されとるな。
 あのお前がここまでなるんかこれ。マジで?」



「ヴッ…………」



「……翼……これが、感情移入か……?」



「感情移入っちゅうか、LOVEやない?」


英語嫌い
「ヴォアッッッ」



「あっすまん。悪気はなかった。
 てかこの言い方やとお前の場合がっつり誤解しそうやな」



「まあなんや。恋っぽいけど恋とはちゃう。
 好きやけど現実の人間には向けんで、作品への愛として現れる」



「人はそれを、推しって言うんや――」



「なるほど、感情移入とはまた別物か……」



「……そこに居ってくれてありがとう、かぁ……
 こちらこそ、俺なんかと出会ってくれてありがとうって言いたいわ」



「こんな、こんなどうしようもない俺に……」



「推しって概念を理解してくれたんは嬉しいけど、
 その喜びを間違っても恋人には見せんなよ。絶対拗ねんぞ。
 俺はお前のそこの脆弱性をブッ刺せると思てこれをやらせたけどな」



「それは……。…………」



「何で黙んねん」



「だってほら……生まれてきたって罪を犯したわけやし」



「その思考回路のまんまやから今抱いた推しに対する感情を
 吐露すんなよ言うとんねんなぁ~~~」








「まあ、なんや。
 そのゲーム最近アニメ化してグッズ展開が熱いんよ、今」



「お前も部屋に置かんか? 推しのアクスタを……



「アクスタって……翼の部屋にあるこのプレートみたいなやつのことよな?
 このキャラのプレートを? 俺の部屋に?」



「どうせお前のことやから、部屋になぁーーーんもあらへんやろ。
 推しのこと飾って日々の彩にしとけ」



「別にキャラクターが気に入った、
 くらいやったら恋人もなんもツッコまんやろ」



「知らんけど」



「……正直かなり置きたいな。
 なんか、ほんまにすぐ傍に居ってくれるんやなって感じがしそうで……」



「なんかほんまにオタク発言の連発で俺はビビっとるけど。
 趣味入門っちゅうことでええと思うで」



「……なあ。こっちの赤い髪のキャラのも売ってへん?」


「一生大切にする自信がある。任せてくれ」



どハマりしとるやんけ。
 良かったなぁお前のノーパソでゲーム購入して!!」