RECORD

Eno.568 伊達白金の記録

伊達白金と切り捨てたはずのファンタジー

伊達白金だてぷらちなむは、頭を抱えていた。

超常の神秘だの、それを管理秘匿する組織だの。
そういうアレソレは黒歴史として封印したつもりだった。
しかしどうやらこの街では、まさにそういうアレソレを
大のオトナ達が大真面目に運営しているらしいじゃないか。

何だよ、現実にそういうのがあるのかよ。
だったら。だったらどうして、その神秘とやらこの15年間、
俺との接点を持たなかったんだ。
俺はこんなに、お前らに焦がれていたんだぞ。
見ろこの大学ノート3冊分の妄想を。

ややブチギレながらスマホの付箋アプリに愚痴を書き綴ったところで、
深呼吸してインスタントコーヒーを淹れ、一旦冷静さを取り戻した。

考え方を変えよう。ポジティブに行くべきだ。
あいつらが・・・・・俺に手を差し伸べなかった?そうかもしれないが。
たったの15年で、逃げも隠れもする奴らの尻尾をつかむに至ったのだ。
俺が・・!追い詰めた!!

イタい言動で女子に軽蔑された過去を思い出すと肩が竦むが、
そんな人目を気にしてビビリちらかしている限り、
伊達白金だてぷらちなむは、価値ある漢になどなれはすまい。

機関の民間協力者など、全く実感は湧かないが。
神秘に関わるようなフシギな力にも心当たりはないが。
少なくともこの胸に、好奇心と覚悟が宿っていることを、
伊達白金だてぷらちなむは自覚した。