RECORD
Eno.1461 篠崎 駿の記録
NEVER MORE
地元に帰ってきて結婚な月日が経とうとしていた。
俺の部屋は、もう荷物で溢れていた。
段ボールに詰めた服、写真立て…色々な物が積まれていた。
テレビでは適当な昼ドラが流れている。
俺はリモコンを投げて電源を切り、深く息を吐いた。
「……色々あったな……」
声に出して言った途端、胸の奥が熱くなった。
影と一つになった日から、俺はもう“逃げられない”ことを知っている。
あそこには…北摩市には、俺の居場所がある。
ドアがノックされた。
「駿君、荷物運ぶの手伝おううか?」
雪ちゃんの声。
ドアを開けると、彼女はハーちゃんのケージとクエちゃんを抱き抱え立っていた。
クエちゃんは水槽の中でぷかぷか浮かびながら、なぜか俺を見て「クェ!」と鳴いた。
「……本当に着いて来るのか?」
雪はにっこり笑って頷く。
「もちろん。駿君が行くなら、私たちも一緒にいたいし」
後ろから、彰が現れて、いつもの落ち着いた声で言った。
「僕の車でならみんな乗れるから安心しろ」
俺は苦笑いした。
「……お前、俺が北摩に帰るって言ったらついて行くって即答だったよな」
彰は少し照れたように視線を逸らす。
「当たり前だろ。僕たちは仲間だ。それに店の手伝い人は多い方がいいだろ?」
そう言って、彰は俺の荷物の一つを軽々と持ち上げた。
陽介からは、もう朝からメールが爆撃みたいに来てる。
【陽介】
おせーよ駿!!
もう俺とイドロで飯作ってるからな!!
遅れたらお前が全部食えよな!!
【駿】
うるせーよ。なんだかんだ言って一番食うのはお前だろ
【陽介】
は?勝手に決めるなよ!!
……まぁいいや。早く来いよ。待ってるから
最後のメッセージに、ちょっとだけ頬が緩んだ。
高速道路を走る彰の車の中。
窓の外を、雪景色が流れていく。
「……なあ、彰」
俺はぽつりと言った。
「俺さ、もう昔みたいに逃げたりしない」
彰はハンドルを握ったまま、少しだけ笑った。
「知ってるよ。お前はもう、ちゃんと前を見てる」
雪が後ろから身を乗り出してくる。
「駿君、北摩に着いたら最初に何したい?」
俺は少し考えて──
「とりあえず何か食いたい」
即答したら、車内が一瞬静かになって、すぐに爆笑が起きた。
夕暮れ。
北摩市の入り口の看板が見えてきた。
『ようこそ北摩市へ』
その文字を見た瞬間、胸の奥がまた熱くなった。
俺は窓を開けた。
冷たい風が、車内いっぱいに吹き込んできた。
──俺の居場所が待ってる。そう思うと何故だか心が軽くなる
「ただいま」
誰にも聞こえない小さな声で呟いた。
車はゆっくりと、北摩の街の中へ滑り込んでいった。
太陽が沈みかけている空に、金色の光が差し込む。
俺はもう、何も怖くない。
だって俺には、この仲間たちがいるから。
──これからも、ずっと一緒に。
俺の部屋は、もう荷物で溢れていた。
段ボールに詰めた服、写真立て…色々な物が積まれていた。
テレビでは適当な昼ドラが流れている。
俺はリモコンを投げて電源を切り、深く息を吐いた。
「……色々あったな……」
声に出して言った途端、胸の奥が熱くなった。
影と一つになった日から、俺はもう“逃げられない”ことを知っている。
あそこには…北摩市には、俺の居場所がある。
ドアがノックされた。
「駿君、荷物運ぶの手伝おううか?」
雪ちゃんの声。
ドアを開けると、彼女はハーちゃんのケージとクエちゃんを抱き抱え立っていた。
クエちゃんは水槽の中でぷかぷか浮かびながら、なぜか俺を見て「クェ!」と鳴いた。
「……本当に着いて来るのか?」
雪はにっこり笑って頷く。
「もちろん。駿君が行くなら、私たちも一緒にいたいし」
後ろから、彰が現れて、いつもの落ち着いた声で言った。
「僕の車でならみんな乗れるから安心しろ」
俺は苦笑いした。
「……お前、俺が北摩に帰るって言ったらついて行くって即答だったよな」
彰は少し照れたように視線を逸らす。
「当たり前だろ。僕たちは仲間だ。それに店の手伝い人は多い方がいいだろ?」
そう言って、彰は俺の荷物の一つを軽々と持ち上げた。
陽介からは、もう朝からメールが爆撃みたいに来てる。
【陽介】
おせーよ駿!!
もう俺とイドロで飯作ってるからな!!
遅れたらお前が全部食えよな!!
【駿】
うるせーよ。なんだかんだ言って一番食うのはお前だろ
【陽介】
は?勝手に決めるなよ!!
……まぁいいや。早く来いよ。待ってるから
最後のメッセージに、ちょっとだけ頬が緩んだ。
高速道路を走る彰の車の中。
窓の外を、雪景色が流れていく。
「……なあ、彰」
俺はぽつりと言った。
「俺さ、もう昔みたいに逃げたりしない」
彰はハンドルを握ったまま、少しだけ笑った。
「知ってるよ。お前はもう、ちゃんと前を見てる」
雪が後ろから身を乗り出してくる。
「駿君、北摩に着いたら最初に何したい?」
俺は少し考えて──
「とりあえず何か食いたい」
即答したら、車内が一瞬静かになって、すぐに爆笑が起きた。
夕暮れ。
北摩市の入り口の看板が見えてきた。
『ようこそ北摩市へ』
その文字を見た瞬間、胸の奥がまた熱くなった。
俺は窓を開けた。
冷たい風が、車内いっぱいに吹き込んできた。
──俺の居場所が待ってる。そう思うと何故だか心が軽くなる
「ただいま」
誰にも聞こえない小さな声で呟いた。
車はゆっくりと、北摩の街の中へ滑り込んでいった。
太陽が沈みかけている空に、金色の光が差し込む。
俺はもう、何も怖くない。
だって俺には、この仲間たちがいるから。
──これからも、ずっと一緒に。