RECORD
Eno.1807 七條 くもりの記録

物心ついた時から歩けば
親に見捨てられた動物を拾った。
鳥の雛。
お菓子の箱に入れて餌をあげた。
勢い良く食べる姿は可愛かった。
翌朝、見に行くと固くなっていた。
子猫。
段ボールに入れてミルクをあげた。
必死に吸う様子に安心した。
翌朝、見に行くと固くなっていた。
ウリ坊。
大きかったから毛布を敷いた。
野菜を食べたから強いと思った。
翌朝、見に行くとナニカに食われていた。
見つける度にこっそりと神社で世話をした。
何度も、何度も、繰り返し。
あの時、ああしていれば。
後悔がずっと付き纏っている。
幸せにしてあげたかった。
手から零れ落ちていった小さな命達。
半分開いたままの目が、
物体となったその身体が、
頭から離れない。
死を覚えているのは辛い。
誰からも忘れられたい。
必要とされることが苦しい。
それなのに、好かれるのが心地よくて。
待っていてと言われたの。
覚えていてと言われたの。
誕生を祝われたの。
辛いの。
苦しいの。
疲れてしまったの。
月明かりが差したのは、そんな時――
月光①

物心ついた時から歩けば
親に見捨てられた動物を拾った。
鳥の雛。
お菓子の箱に入れて餌をあげた。
勢い良く食べる姿は可愛かった。
翌朝、見に行くと固くなっていた。
子猫。
段ボールに入れてミルクをあげた。
必死に吸う様子に安心した。
翌朝、見に行くと固くなっていた。
ウリ坊。
大きかったから毛布を敷いた。
野菜を食べたから強いと思った。
翌朝、見に行くとナニカに食われていた。
見つける度にこっそりと神社で世話をした。
何度も、何度も、繰り返し。
あの時、ああしていれば。
後悔がずっと付き纏っている。
幸せにしてあげたかった。
手から零れ落ちていった小さな命達。
半分開いたままの目が、
物体となったその身体が、
頭から離れない。
死を覚えているのは辛い。
誰からも忘れられたい。
必要とされることが苦しい。
それなのに、好かれるのが心地よくて。
待っていてと言われたの。
覚えていてと言われたの。
誕生を祝われたの。
辛いの。
苦しいの。
疲れてしまったの。
月明かりが差したのは、そんな時――