RECORD

Eno.340 月待 よすがの記録

無題


賭けをした。
みこまちゃんが選んでくれた景色の綺麗な場所が、海辺であったなら一緒に死のうと思った。
断られても別に良くて、結局このまま終わらせようと思った。
何か全部しんどくて それでいいと思った。
結果としては保留にした。保留にしたまま、これを書いている。


一週間後に自動送信を予約しておいた連絡を全て取り消した。
笛理紡義の"檻"に関してはメガネくんに頼むつもりだった。
牙ヶ崎剣の話と、渡団七郎の連絡先は笛理彗昴海に渡すことにしていた。
封印した依代は、十常寺命に預ける予定だった。
それでやることは終わりのはずだったけど、今は全て未送信で置いている。


カメラちゃんと神秘の『普及』を協力することにした。
彼女と居るのは楽だ。月待よすがを悪人であると知りながら、
それが良いのだと言ってくれたから。
……誘ったらどこまで手を貸してくれるんだろうか。気にならないと言えば嘘になる。


浮季草斂華からクリスマスにオレンジのチョコレートを貰った。
チョコは食べるとほっとする効果があるらしい。
外側が甘くてオレンジの風味? が美味しかった。特別な日だ。
もう一度くらい、いつか話を聞いてもらおうかな。間に合うなら。


海狛呪理がケーキを作ってくれた。チョコの……ガトーショコラ? って言うらしい。
料理が得意で、最初の印象より最近の彼女は穏やかだ。
それが本来のみこまちゃんだとしたら、まだまだ知らないことが沢山あるのかも。
もっともっと知っておきたいと思った。
誕生日のお返しだって、ブレスレットを貰った。
石はあんまり詳しくないけれど、紫色で僕の目の色だって教えてくれた。
嬉しい。人から識別できるものを貰うと、少しだけ その人のものになったみたいな気持ちになれるから。


不藤識にこれからのことを話した。
納得はしてくれなかったけど、多分理解はしてくれたと思う。
別に自分が死んで困らせることは良い。引き摺ってしまうのも普通の感性だ。
大丈夫。それだけは人に任せずに自分で何とかしよう。消去法の幸せなんて選んでほしくないし。
極論、全部忘れてもらえればそれでいい。やりたいことは全部終わった。


やるべきことを整理する。来年の目標は今のうちに。
やっぱり再現性を求めるなら神隠しの神秘からだろうか。