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Eno.7 瀬波 りり子の記録

映像ファイル:ばり子vs観音寺ゴゴ

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 14:43:50 No.7898502

「失礼する」
「昨日に15時からの使用申請を出した観音寺だ」

予約時間より少し早めにやってきて、一礼。

「さて……そういえば瀬波に場所の説明せんかったが大丈夫だろうか……」

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 14:46:51 No.7898603

「あ ここで合ってました?」

追うようにちょこちょこ走ってくる。

「合ってるかわかんなくてゴゴを探してうろちょろしてました。
 無事背中を見つけられたので大丈夫です」

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 14:49:54 No.7898626

「お、瀬波瀬波」

いたいた、のイントネーション。

「すまんな、ちゃんと場所の説明をすればよかったのだが失念していた」
「ええと……とりあえず利用規約INFOに目を通しておいてもらえるか」
「戦場は裏のオフィスタウンを指定しておいたが、問題ないな?」

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 14:54:52 No.7898660

「大丈夫です。散歩の動機にもなりましたから」
「今読んでいます。あと、場所はそれで問題ありません。
 あまり地形が重要なふたりでもないとは思いますしね」

頷いた。概ね準備は整っているようだ。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 15:00:06 No.7898691

「うむ……では、入るか」

軽く肩を回し、首を左右に倒す。ストレッチ。

「多分中でも言うがな」
「瀬波。今日は付き合ってくれてありがとう。楽しみにしていたし、楽しみだ」
「心置きなく、よろしく頼む」

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 15:01:05 No.7898696

「『ハロー、ニューワールド』」

合言葉を唱え、壺の中へ消えて行った。

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 15:02:58 No.7898705

「ええ。入りましょう」

その必要が薄くとも、儀式として同様に伸びをする。
心構えの問題だ。

「こちらこそ。大宇宙形意拳を……いえ。
 観音寺ゴゴの宇宙を目にできること、光栄です」
「そのぶん、私の宇宙もお見せします。全てを。本気で」

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 15:05:40 No.7898725

「……ええと」
「これを、機械の私アンドロイドが言うのは少し面白いですね」

「『ハロー、ニューワールド』」

同様に合言葉を唱え、入っていった。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 15:04:42 No.7898721

「ほほう……」

変わらぬ夕暮れ。
居並ぶビル。
舗装された大通り。
不気味なほどの静けさ。
裏に出入りする者ならば誰であれ馴染み深かろう景色。
特に、カレント・コーポレーションに属する者であれば実に見慣れた景色。

裏世界、オフィスタウン――――その、再現空間。

「話には聞いていたが……」
「なるほど、実に見事な再現度だ」
「通りを歩く限りは現実とそう変わらんな」

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 15:15:37 No.7898801

「ともすれば、夢の中などよりよほど精密に見えますね。
 と言っても、夢の中でセンサーを起動したことはありませんので、
 詳細なデータの比較には至りませんが」

僅かに遅れて現れて、大きな歩幅による歩きの速さでゴゴより前へ。

「できたての我が国よりよほど発展し、建物も高い……
 そんな北摩の、裏世界の再現。
 そしてそこに立つ、私の友人であるところの観音寺ゴゴ」
「それらへ向けて、破壊を伴う威力の技を振るう。
 抵抗がないと言えば嘘になりますが……
 だからこそ、本気で行かねば無意味というもの」

いつもの調子で呑気に喋る機械音声。
纏う空気は文字通り・・・・冷たく、ふざけたオーラも感じられない。
代わりに、場の静けさに紛れてしまうほどの生気のなさを見せる。
つまり――正真正銘の怪奇、異世界の化物であることの証明だ。

「いえ、もちろん加減はしますよ。
 あくまで私のカンフーをお見せするのが意図なのですから、
 あなたを打ち倒すことは主目的ではありません。
 侮りやそういったものではありませんので、安心してください」

それなりに距離を取ったところへ移動する。まだ構えない。

「私はいつでも大丈夫ですが、決めておくことなどはありますか?」

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 15:33:47 No.7898970

>>7898801
「…………くく」

思わず、と言った風に。
瀬波りり子――ばり子の姿を認めた観音寺ゴゴは、笑みを零した。
いつもより冷たいばり子の姿を見て、酷く、嬉しそうに。

「いや……すまんな」
「やはりどうにも俺は、ひとでなしらしい」

昂揚の未熟を抑えるように、深く、深く、熱っぽい息を吐き出す。

「お前がいつもと違うことも、いつも通り・・・・・であることも、どちらも……」
「…………俺には、たまらなく嬉しくてかなわんのだ」
「ありがとう、瀬波。やはり中でも言ってしまったな」

「どうせ負傷も壺の中のこと」
「取り決めの必要も、この際あるまい」
「お前はお前が思うままに、お前の宇宙を振るってくれればいい。それだけが俺の望みだ」

両手を伸ばし――――巡らすように、右の拳を左の掌で包み込む。胸の前でそれを示す。
包拳礼。
武人として観音寺ゴゴが示す、最上級の礼法。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 15:42:01 No.7899042

>>7898970 >>7898801
「これより示すは我が小宇宙ッ!!」
「――――照応せしは大宇宙ッ!!」


構えを取る。
空気を震わす大音声。
吠えるように叫び、名乗り、拳を構える。

「即ちは大宇宙形意拳、観音寺ゴゴッ!!」

背筋を伸ばし、左の膝を曲げて持ち上げ、右の拳は顎に添え、左手は開いて緩く伸ばす。
フラミンゴを思わせる、優美な構え。

「いざ尋常に、武を比べ手を合わせること希わんッ!!」

「来い、瀬波りり子ッ!!お前の宇宙を見せてみろッ!!」

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 16:07:38 No.7899220

>>7898970 >>7899042
「大丈夫ですよ、大丈夫。
 あなたがひとでなしであろうと、そうでなかろうと……
 どうせ当機もヒトではありませんから」
「当機からもお礼を述べさせてください。
 本当のことを言うと、もたまには暴れたかったのです。
 結構意外な姿をお見せするかもしれませんが……
 幻滅、しないでくださいね」

抱拳礼に答えるように、ごく普通のおじぎをする。
すなわち、頭を下げる。

「――いいでしょう」
「バリザーナ・メルゥス・フルエアメリム・ユエノルム5世・3号機・ぴよぴよ・ハルノキア・ブリーズ・^~^・フロストギガナックル・セヴァーテ・りり子」

いつもより響くような声。
口に限らず、全身のスピーカーから声を発している。

「女王でもなんでもなく、これまでの1000年以上を生きて・・・きた、
 ひとりのアンドロイドとして、あなたと武を比べます」
「何の一つも隠しません。光栄にも思わなくて構いません。
 ただ――」


「その全てを、焼き付けていただきます」

左腕を引き、左脚も引く。
腰を下ろし、右脚に力を込め、右掌をゴゴへと向ける。

「では」

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 16:08:04 No.7899222

>>7898970 >>7899042 >>7899220
「小出しにする必要はないでしょうから、
 まずは一番"わかりやすい"やつから行きましょう」

引いた左拳に力を込める。
目が良ければ、左腕の人工筋肉の動きが少しわかるかもしれないが、
それよりも気になるところが発生するだろう。
左拳の周囲に、見てわかるほど・・・・・・・冷気が集まっていく。

「せーのっ」
「フロストギガナックル!」

いかにもな大技であるのに、他者の名前を呼ぶような軽い声色で、
表情を変えぬままの叫びとともに一歩踏み込み、拳を振り抜く。
無論その拳は何にも届かず、空中に叩きつけられるのみだが……
その拳撃はまるでロケット弾のように衝撃を発してゴゴに飛び迫り、
経路に『氷の爆発』を連続的に起こしながら進んでいく。
もちろん当たればひとたまりもないことだろう……が、
いかんせんただ派手なだけで直進的、
弾速も怪奇との戦いに慣れていればまだ見切れる程度のもの。
つまるところ自己紹介であり、小手調べ。
あなたに捌いて欲しいのだ。この程度の技・・・・・・は。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 16:37:35 No.7899481

>>7899222
(ほう――――)

なおも湧きあがる歓喜と昂揚を、強引に腹の内に押し込める。
音に聞こえしフロストギガナックル。
これがその名を冠せしも、小手調べの類であることはすぐにわかった。
かわすこともできようが、しかしそれでは意味がない。
観音寺ゴゴは逃げ惑うためにここにいるわけでもなければ、勝つためにここにいるわけですらないのだ。

戦うために・・・・・、ここにいるのだ。

そのために、友に頭を下げ対峙しているのだ。
ならばただ単にかわすのでは意味がなく、不作法というもの。

滑るように左足を前へ地につけ、左腕を肘から内側に曲げる。
同時に右の足は地を蹴り、左半身を追いかけるように――――左手は鞭のように、衝撃波に向け振るう。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 16:43:13 No.7899516

>>7899481 >>7899222
知っての通り、観音寺ゴゴは固有の神秘を持たない。
また、空中を蹴って跳躍するだとか、光線を繰り出すだとか、そういった“超常的なこと”もできない。
彼にできる神秘の利用は、基礎的な身体強化程度のこと。
だから彼には、衝撃波を繰り出すことはできないが――――神秘を気功として練ったのならば。

迎え撃つはしなやかなりし火烈鳥。
奇しくも炎を意味する名を持つ水鳥の構え。

「――――――――フラミンゴ拳ッ!!」

ンッ

弾ける音と共に、左手が氷の衝撃波を打ち払う。
奇妙な表現にもなるが、その手は衝撃波を横から叩いて後方へと捌いた。
大宇宙形意拳が裏と神秘に出会ってより一年にも満たず、しかして研鑽と実戦はこれを余技とするに至っている。

形無き衝撃波を打ち払う。
この程度の技・・・・・・は、使えるぞ。
次はどうする。
彼らは言葉無く、言葉を交わしている。

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 17:00:47 No.7899679

>>7899481 >>7899516
打ち倒す必要があるわけではなく、見せ合う必要がある。
故に、ばり子は技の行く末を見ていた。そのふたつの目で。
――いや、全身にある全てのカメラで。

「……いいですね」

見て、記録する。己の技が打ち払われるのを。大宇宙形意拳を。
ああ、ここで表情が動かせたのなら、きっと笑っていただろう。
だが、まだだ。仮に笑えたとしても、満足するには早すぎる。
もっと見せたい。もっと見たい。まだたった一つずつでしかない!

「では、続けて当機から」

宣言の後、強く踏み込み、まっすぐゴゴに向かって走る。

「奥義・上下左右中央拳!」

再び左拳を引いて振りかぶり、上から叩きつけるように振るう。
そして着地すれば返すように右アッパー、続いて左フック、
右フックののちに改めて力を込めた左ストレート、という技だ。
名前通り素直な技だが、それは機械の怪奇の膂力で振るわれている。
一発ずつが当たろうと外れようと捌かれようと、
続けるのが不可能な態勢にでもならない限りは5段を通そうとする。

フロストギガナックルという技ではないが、
フロストギガナックルという拳、
そしてフロストギガナックルという人間・・によるものだ。
見た目の派手さは先程に劣るが、至近距離で放たれる直接攻撃は、
追尾性・柔軟性・物理的パワーに優れる。
その代わり、あくまで物理攻撃に過ぎない。
小手調べの次、あなたの"感触"を知るために触れようとしているのだ。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 17:40:22 No.7900079

>>7899679
「そう来なくてはな……ッ!」

機械と言えど、徒手は徒手。
拳打ナックルを名に冠す以上、至近距離でのやり取りがなくば始まるまい。

接近に応じ、構えを変える。
上段からの一撃――――大きく一歩引いて、回避。
同時に構える。
深く腰を落とし、半身に。
左腕をL字に曲げてピタリと体につけ、その拳が顔の右側に来るほどに引き付けた構え。

「大宇宙形意拳神秘派――――うごく冷蔵庫拳」

それは裏に住まう、自ら動く家電の怪奇。その形と意を汲んだ構え。
防御に特化した、守りの構え。
繰り出された右アッパー。
それを、冷蔵庫の扉に見立てた左腕を開き、弾くように捌く。

(重い――――ッ!)

ビリビリと腕を痺れさせる規格外の膂力に、思わず笑みが漏れそうになる。
喜んでいる暇はない。
続けて迫る左フック。
ならばと今度は“扉”を閉める。
前腕部でフックを弾く。骨が軋むような衝撃。
間髪入れずにやってくる右フック。

「雄々ッ!!!」

再度開かれる“扉”。
強引に、大地を踏みしめながら機械の怪力を捌いていく。

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[ビジネスタウン][壺中天]
観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 17:42:22 No.7900097

>>7900079 >>7899679
僅かに三度。
三度だ。
扉を開けて閉め、また開けて、三度。
たったの三度のやりとりで――――食い縛った歯が砕けそうなほどの消耗。

まだだ。
まだ来る。
左のストレート。
名前の通りのコンビネーション。五連撃。
開いた“扉”をまた閉める……のでは、無理だ。
連撃を捌くのに酷使した左腕は、恐らくこのストレートに耐えられない。へし折れる。

ならば。
ならば。
ならば。
ならば!

「――――――――――――呼ッ!!!」

硬気功、と呼ばれる技。
呼気と共に筋肉を締め、練り上げた気功で肉体を鋼のそれへと変える秘術。
右ストレートを正面から胸板で受け止め――――衝撃に、大きく弾き飛ばされる。

「かっ、は……!!」

肺から呼気が漏れる。
ずざざ、と地面を滑りながらたたらを踏む。
気功の鎧でもってしても受けきれぬ衝撃。
ダメージそのものは最小限に抑えられている。捌き切った、と言ってもいい。
それでも、正面からの拳のやりとりで弾き飛ばされた、という事実が――――ああ、こんなにも、たまらなく嬉しい。

「っ、ははっ!」
「流石に勝てんなァ、力比べではッ!」

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[ビジネスタウン][壺中天]
ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 17:58:24 No.7900328

>>7900079 >>7900097
「上、下……左、右!」

ひとつひとつの拳に、機械的に計算された体重移動を乗せる。
そもそも出力が人間と違うだけでなく、その伝達さえも違う。
一般的格闘技とは比べ物にならない、武道どころか武術の拳。
すなわち、破壊、攻撃、生存のための全力の攻撃。
まさしく怪奇、あるいは獣の技に等しいのだが、
目の前でそれが受け止められていくのを見る。

「……中央!」

動揺はない。高揚がある。疑問はない。興奮がある!
手応えはあった。手応えはあった!
この拳が通れば、私の前に立つものは破壊されてきた。そのはずだ!

「…………ふふ。まだ立ちますか」

だが、観音寺ゴゴはそこにいる。倒れていない。膝を突いてもない。
必然、笑いも漏れる。声だけで、頬は一切緩まないが。

「負けていない時点で相当ですよ。
 言わないつもりでしたが、あえて言いましょう。
 本当に人間ですか? とさえ思えてしまいます」

殺すための拳を振るう状況では、普通はここで追撃をする。
しかし、今回はそうではない。拳を用いた対話なのだから。

「まだいくらでも技はあります。ありますが――」
「私の"硬さ"も、知ってみたくはないですか? なんて」

構え、手招く。誘い、待つ。
ああ、やっぱり表情筋を仕込んでおけばよかった。
笑えないから、楽しそうに見えていないかもしれない。

「もちろん、反撃だってお見せしますから」

声色は嬉しそうだが、ただ顔だけが冷たい。
ああ、いや、拳も冷えているが、それはそれだ。

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[ビジネスタウン][壺中天]
観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 18:36:08 No.7900738

>>7900328
「――――観音寺ゴゴ、だ」

本当に人間か、と問われたのなら。
返す言葉は、それ以前だと示すもの。

「人間。17歳。拳法家」
「大宇宙形意拳創始者。観音寺ゴゴ」
「その宇宙が――――今、お前の前にあるものだ」

最初に宣言した通り。
ここに示されるは人ではなく、ひとつの宇宙。
呼気を整える。
追撃が無い事を確認し、しかして警戒は微塵も解かぬままに。

「……くく」
「そんな殺し文句を言われてしまえば――――飛び込まずにはおれまいな」

構える。
槍よりもなお遠い間合い。

「つい、受け手にばかり回ってしまっていたが」
「それも申し訳ないと、思っていたところだよ」

――――――――駆け出す。

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[ビジネスタウン][壺中天]
観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 18:38:53 No.7900783

>>7900328 >>7900738
武術の世界で、“腕を振って走る”ということはまずない。
それはもはや、武術の間合いではないからだ。
間合いを詰めて、それからようやく、距離を調整するというやりとりが発生する。
飛び道具があるのならばいざしらず、それでさえ結局は、走りだしたりはしないもの。

――――だが、大宇宙形意拳は、違う。

それでさえ、その間合いでさえ、技がある。
そのための技を、宇宙から汲み取って身に着けている。
走るものたちを、いくつも知っている。

「大宇宙形意拳――――――――――――」

獲物を追う猛獣。
走力を研鑽するアスリート。
リングの上を所狭しと駆けまわるプロレスラー。
そして、あるいは――――――――

「――――――――――――無機物派、通勤快速拳ッ!!!」

日夜都市を駆け巡る、交通機関の形と意ッ!!
前傾姿勢の全力疾走、大きく振るう両手はやがて拳を握り、“幾度なく拳を突き上げるように殴りながらの突進”として真っ直ぐに駆けていくッ!!!
その上で、この技は相手を通過駅・・・として――――受けるにせよかわすにせよ、相手の後方を停車駅・・・に定め、突進をやめないだろう。

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[ビジネスタウン][壺中天]
ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 19:14:07 No.7901210

>>7900738 >>7900783
「……ええ、そうでした」
「やはり、言う意味はありませんでしたね。
 ここは裏世界。相手が人間だとしても、それで終わらない。
 そして、そもそも、人間というものには、限りはない」

目を細めることはできる。そうする。
精一杯の微笑みに近しいもの。この人間の大きさを称えるさま。

「かかってこい、などと言う経験も当機には珍しいものです。
 やってみたかったんですよね、こういう振る舞い」

軽口を叩きつつ、構えを見る。撮影する。録画する。
ここは集大成、終着点ではない。この後にも人生は続く。
まだカンフーは続く。成長する。進化する。
これはただの中間発表に過ぎない。全てを糧とせねばならない。

「さて――」

駆け出すゴゴを迎え撃つように、構えを対応させるため脚を動かす。
まさかただのダッシュだなどとは考えない。
大宇宙形意拳の使い手が、無策で突っ込むわけもない。
それ故の対応だ。大丈夫。ゴゴは強いが、自分も強い。
神秘で強化したとしても、人間の思考速度、行動速度の制限は残る。
己の反応速度、解像速度、行動速度が勝る以上は、何の技にも――

「え」
「通勤快速拳?」

その技は見たことがある技だ。
同好会のたまり場で、ゴゴの行っていた走り込みのようなやつ。
となればただの突進か? と考えられるし、
ならば堂々と正面から電車を止めてやろう、とも思える。

「あれ」

しかし違った。通勤快速から倣える形はひとつではない。
そこから飛び出す拳は意外なものであり、
機械の思考の外にあった。
しかし対応できる。対応する。しなければならない。拳で。

「だとしても、電車なのなら――」

突き出される拳のひとつひとつに、己の拳をぶつけにいく。
何両あっても、それを潰せるほどの力を持つアンドロイドだ。
ゴゴには悪いが……

「――違った?」

いや、違う。それ・・は電車ではない。
通勤快速なのはゴゴそのものだ。
拳を捌こうが電車は止まらず、ばり子は対応しきれず轢かれ、
強い衝撃に襲われ、吹き飛ぶこととなる。そう、
悲惨な事故のように、頭部とそれ以外が離れるほどの衝撃に……

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[ビジネスタウン][壺中天]
ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 19:14:35 No.7901215

>>7900738 >>7900783 >>7901210
だが、それは死を意味しない。
ばり子はアンドロイドだ。人間ではない。
人間かが関係ないのではない。人間と違う・・・・・
首が離れても死なない。首が離れても喋る。
首が離れても、諦めない。首が離れることに、動揺しない。
それならそれで、やり方があるだけだ。

「しまった、これには技名がありませんね。さしずめ……
 ばり子ハンマー、とかでいいでしょうか?」

吹き飛ぶ頭部の長い髪の端を掴み、体重移動だけで大きく振るう。
それの振られる先は当然ゴゴだ。遠いならば手を離して投げよう。
己の髪や頭を攻撃のために扱うことに抵抗はない。
そのような人間性は今不要だ。アンドロイドはそれを持たない。
当たってくれたならその隙で態勢を整えるが、
もし当たらなかった場合は頭が地面に叩きつけられることになるな。
しかしそれは怖くないし、むしろ、今、ばり子は喜んでいる。
アンドロイドの戦い方というのを、見せることができているのだから。

ゴゴは通勤快速拳を使ったのであって、通勤快速なのではない。
電車ではないのだから、走れば止まるはずなのだ。
架線の引かれた電車と違い、エネルギー補給を必要とするはず。>>7328307
空腹とまではいかずとも……息切れをしているのではないか?

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[ビジネスタウン][壺中天]
観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 19:56:10 No.7902160

>>7901215 >>7901210
そう。
そうだ。
ガタンゴトン。
休むことなく、前へ、前へ。
ガタンゴトンと、前へ、前へ。
拳、突進、ラッシュアワー。
通勤快速は止まらない・・・・・・・・・・

幾度となく拳が突き出され、やがて瀬波りり子を轢き飛ばす。
首が飛んでいく――――動揺はしない。
彼女の首が単独で自律可能なパーツであることは、これまで幾度となく目にしてきている。
ブレーキ、停車、残身。
まだ終わりではあるまい。その確信がある。

だから――――

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[ビジネスタウン][壺中天]
観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 20:00:04 No.7902207

>>7902160 >>7901215

「―――――なっ」

予想外だったのは――――その攻撃手段。
乱暴に髪を掴み、己の頭を振り回す!
なるほど、そういうことも可能だろう。
人間に比べて頭部の重要性が低い以上、その攻撃は極めて合理的と言っていい。
その、実に合理的な判断に、観音寺ゴゴの判断力と思考速度が追い付かなかった。それだけのこと。

防御。
間に合わない。
通勤快速拳は、そう。全身全霊での怒涛の突撃連打だ。
全身を全力で酷使するこの技は、架線からの補給無き人の身で扱うにはいささか消耗が激しすぎる。

それでも咄嗟に、バスケの選手がそうするように頭部を両手で挟んで掴むことができたのは、日頃の鍛錬の賜物と言っていい。
本当ならば両腕をクロスして防御するとか、頭部を受け流すとか、そういった方法で防御すべきところを、かろうじてキャッチする形で受ける。

受けて――――――――練気が足りず、勢いを殺せない。

「ぐ、はっ……!!」

振り回されているのはまさしく鋼鉄の砲丸。文字通りの鉄槌。
その質量は咄嗟の対応では受けきること能わず、多少威力を減じさせつつも直撃。地面に叩き伏せられる。
頭部を保持していられない。
手はばり子の頭部を離れ、身体は半ば自動的に受け身を取って衝撃を逃す。
大の字で仰向けに。
大きく、大きく、肺が冷たい酸素を求めて呼吸を繰り返す。

「なる、ほど、な……!」
「そういうのも、あるか……!!」

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[ビジネスタウン][壺中天]
ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 20:15:44 No.7902434

>>7902160 >>7902207
「おお人間のぬくもり」

こちらも、当たるか避けるか弾かれると思っていたため、
キャッチされるのは想定外だった。
肝心のボディは似た方向に吹っ飛んでいるため追撃はできないし、
さすがのばり子もここからどうするかを瞬時には導けなかった。
その結果、いったんふたりとも地に転がることとなる。

「というか、当機の頭部は胴から離れたらめちゃくちゃ重くなるのを
 普通に忘れて振り回してしまいました。
 なんなら殴るより危なかったかもしれませんね」

普段はばり子の体重は制御され、現実的なものとなっている。
それは胴体に内蔵されている機能であるから、
首だけを振り回すと人間のそれより圧倒的に重たい。
鉄槌と形容されたのは完全な正解だ。

「ちょっと一回起きますね」

髪を引いて頭部を手繰り寄せ、適当に装着。あれ前後逆だな。いいか。
変な姿のまま少しずつ起き上がる。まずは上体を起こす。
全身のバランスのチェックも兼ね、段々と立ち姿勢に戻っていく。
なんだかんだ吹っ飛んだだけなので、大きなダメージはない。
おそらくだが、ゴゴが起き上がるよりも相当先だろう。

「ゴゴも一旦起きましょう。手を貸します。
 向き合っていなければ技は見せられません」

ということで、仕切り直すために手を差し伸べる。

もちろん、これは罠だ。戦いは終わっていない。
その手を取るということは、フロストギガナックルに触れること。
その冷たい手に触れたが最後、手を離す間もなく指先から凍っていく。
と言っても別に、見せて驚かせたいだけのこと。
実際にダメージを与える気はないので身体が直接凍ったりはせず、
表面を氷で覆っていくだけの遊び。
言わば氷のギプスを被せるようなものだし、
ゴゴが驚くころには「なんちゃって」とでも言いつつ
すぐに氷を取り払いつつ距離を離し、改めて仕切り直すだろう。

ちなみに、そういったものを察して手を取らなかった場合、
ばり子はこれをやる気満々でいるのでまあまあ隙だらけである。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 20:55:17 No.7902802

>>7902434

「―――――――――おっと」

スパン、と。
乾いた音。
大の字で寝ころんだままの観音寺が――――倒れたままに足を振り上げ、差し出された手を弾いた音。

「気遣いはありがたいところが、そう侮るなよ」

寝ころんだまま、僅かに上体を起こす。
ファイティングポーズ。オーソドックスな防御重視のそれ。
両足も持ち上げる。
右足は軽く曲げ、突きつける。
左足は深く曲げ、待ち構える。

大宇宙形意拳は、観音寺ゴゴの宇宙を体現する形意拳。
その持ち味は、膨大な手札の数に基づく対応力。

「大宇宙形意拳には、ここからでも見せられる技がある。即ち――――」

地功拳、と呼ばれる拳法の分類がある。
酔拳に代表される、寝転んだ状態で戦うことを想定した拳法。
地より功を練り拳を振るう技。

これも、そうだ。
頭部は敵から最も遠く。
両腕は防御のために。
両脚は攻撃のために。
急所を敵から遠ざけ、両の脚でもって下段より攻撃する。
あるいはかつてボクシングチャンピオンとの異種格闘試合で伝説のプロレスラーが見せた構えにも似た、ある生物を模した形意拳。

「――――――――――――ヤドカリ拳ッ!!!」

手を払ってからすぐに畳みかけなかったのは、騙し討ちにも近い不意打ちをよしとしなかったため。
呼吸は既に整えた。
寝転がったまま、突きつけた右足――――右のハサミ・・・が、鋭い刺突を繰り出すッ!!

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 21:27:03 No.7903074

>>7902802
「お」

手を弾かれ、驚く。そう、きちんと驚いている。そこまでの油断。

「確かに侮ったかもしれません。
 当機がそうであったように、ゴゴも倒れて終わりではない。
 倒れることも、ただ状態が変わっただけ」

油断は終わる。構えはないが、備えがある。

「では見せていただきます」

構えないまま。不意打ちができたことを理解している。
そのうえで、無防備に受けようと……いや。
受けた先を見せようとしている。
構えたとて、ばり子の扱う拳のスタイルでは姿勢の差を解決し難い。
ばり子も柔軟な戦法を持ちはするが、基本は立ちからの派生。
寝技等を得意としているわけではないから、
やるとしたら追い打ちだけになってしまう。

関節はきちんと固定し、もう首が外れることはない。
もちろん諦めたように受けたいわけではない。
アンドロイドの戦い方を見せたいのだから。
肉を切らせて骨を断つ……いや、
鉄を殴らせて肉を轢く、重戦車の如き戦法を見せるため、受ける!

「なるほど」

ヤドカリ拳は見事にばり子の腿に命中する。
腹に当たらなかったのは単純に身長によるものである。
あと、冷静な声が出ているのも、内臓へのダメージがなく、
声を声帯でなくスピーカーから出しているからだ。
ともかく身体を支えているはずの脚に当たった衝撃は大きく、
その姿勢は先程ほどではなくとも崩れ、軽く吹き飛ぶように退がる。
さて。ここからを見せてこそ、今日の手合わせに意味がある。

「バリザーナ式大宇宙形意拳……を名乗るには、いささかズルいか。
 なんせ形と意を汲んだのではなく、実際に知っているものですし。
 仕方ないのでこう名付けましょう」
「奥義・犬ばり子拳!」

吹き飛びながら体重移動をし、うつ伏せに着地する。
そのまま両手を両前足と扱い、両足を両後足と扱って、
本物の犬のような関節の動かし方でゴゴに向かって走る!

「当機には複数のボディがあります。
 その中には、ヒトの姿ではないものもあります。
 それ故、その動き方を知っています」

ここからの攻撃手段は少ない。ばり子に鋭い牙はない。
故に、氷で刃を生成し、それを咥えるようにして突っ込む!
軌道が修正しづらく、刺さるか斬れるかはわからない!

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 22:07:11 No.7903517

>>7903074
「ほう!」
「そういうのもあるか!」

四足獣を模した――――否。
まさしく四足獣そのものの動きで迫る相手を見据える。
ヤドカリのハサミで迎え撃つか?
それもいい。
だが、あの突進力をハサミ程度で抑えきるのも難しかろう。

瞬時にそう判断した彼は、また構えを変える。
上体を起こし、しかし起き上がりはしない。
寝転がるのではなく、座り込む。
立ってしまえば先ほどとは逆に、不利な下段に対する攻防を強いられるから。
相手が地を這うならば、こちらも地を這うべき。
ならばどうする?
どの技で返そうか?

――――手札の多さが大宇宙形意拳の特色ならば、それを選び取る速さと正しさこそが練達の証である。

両手を地につけ、軽く体を持ち上げる。
そのまま――――ぐるり、ぐるり、手を軸としてブレイクダンスにも似た回転。揃えた足を振り回す。
掃腿と呼ばれる、中国拳法における足払い――――術理としてはそれにも似た、大宇宙形意拳。

「大宇宙形意拳生活派――――――――新体操拳・あん馬ッ!!!

旋風の如き勢いで、丸太の如く振り回された両足が、犬ばり子の猛進に合わせて横薙ぎに叩きつけられるッ!!

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 22:33:16 No.7903882

>>7903517
「他にも多腕ばり子などもありますよ。
 今この時には活用が難しいですけどね」

何かを咥えていても喋れるのは長所だ。
座るゴゴに駆け寄るばり子は、まさに飼い犬のよう。
飼い犬はおもちゃこそ持っても、刃など持たないが。

「えっ ちょっ それは避けられな、」

この速度にブレーキはかけられない。
あの脚の回転を止める手段は持っていない。
顔を反らして刃を向けても、差し引きでこちらが損だ。
四足歩行という、突撃に向いた形をとったのが仇となった。

「い、」
「わけは、ないんですよね 嬉しいことに」

だが、旋風ならばこちらが上手だ。
勢いこそ殺さないままに、犬の構えをやめ、大の字に開く。
このままだと顔面を犠牲に滑っても止まりきれず結局蹴られるが、
目的はそれではない。

「ご存知かと思いますが、当機は風のアンドロイドでもあります」

開いた身体に己の能力によって無から発生した風を受け、
真上に向かって吹っ飛んでいく!
その風はゴゴには吹かず、ただばり子だけを蹴りからすくい・・・
空高くへと運んでいく。

「ちょうどいいのでこの辺で大技を一発入れておきましょう。
 死ぬほど痛かったら申し訳ありません。
 今までこれを当てた相手には……
 どれほど痛かったか、聞けた試しがないのです」

かなりの高さまで上がっていく。
これまではどの間合い・どの位置関係でも攻撃と反撃をし合えたが、
空中と地上では一方的かもしれないな。

「では行きます。これは、本物の必殺技のひとつです」
「本当は他にも見せたい技があるのですが、
 もしかするとこれで終わってしまうかもしれませんね」

リップサービスじみた挑発だ。受けるに足る技だと示していく。

「ある意味ではバリザーナ流大宇宙形意拳かもしれません。
 犬ばり子と違って、これについてはそのボディがないですから」

「さて」
「では、行きます。重力制御装置、反転――

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 22:33:46 No.7903892

>>7903517 >>7903882
「あれこの技の口上なんだったっけ? あ思い出した」
「いたいけな乙女の重さ、問うた罪は星より重いぞ!
 奥義・流星墜襲拳フロストギガ・メテオ・ナックル!」

身体を人間同等の重さにするために使っている重力制御装置。
それの作用を反転させ、車より重い身体となって拳から墜落する、
言わばバリザーナ式大宇宙形意拳・隕石拳だ!

「うおおおおおおおおおおおおお」

結局のところはただの突進パンチだ。
しかしそれには本物の神秘・・・・・がふたつ乗っている!

「くらええええええええええ」

地球の重力。万有引力。
枝から外れたリンゴが落ちる当然のこと。

「あれこれ外したらださいんじゃないかあああああああ」

乙女の体重。誰にも知られたくない秘密。
でも好きな人ができたら知ってほしいかもしれないもの。
いや今重力制御装置反転してるから嘘の体重だな。
やっぱり誰にも知られたくない秘密。

「おああああああああああ」

当たっても当たらなくても、本物の隕石が堕ちたかのような衝撃が、
この再現されたオフィスタウンを襲う!
もしかしたら想像以上に地形が破壊されるかもしれないし、
そんなことなくどうにかなるかもしれない!

そんな不安定な技をばり子が友達に向けるわけがないのだが、
観音寺ゴゴは特別だ。
痛い目に遭わせたくないし、怪我をしてほしくない。
だが、大宇宙形意拳のためになることを諦めてほしくもない!
だから、全力で墜落してみせる!

全力で墜落するので着地のことは考えていません。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 23:31:27 No.7904724

>>7903892 >>7903882
「おっ?」

新体操拳を、すかされる。
空を切る脚。
遠心力を殺さず、素早く立ち上がる。
そして、見上げる。
ばり子が宙へと舞い上がったことを正しく認識している。
すぐさま上から攻撃が来るか――――とも思ったが、違う。

高い。
高すぎるのだ。
既に拳の間合いを越え、槍の間合いを越え、ともすれば銃の間合いすら超えてしまったかもしれないほどに、高く。
比較対象となるビル群がなければ、どれほど高く飛んだのか認識するのも難しいところだったかもしれない。

そして――――

そこから――――――――――――

「わ―――――――――」

――――隕石おとめの落下が、始まる――――

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 23:33:11 No.7904749

>>7904724 >>7903892

「――――わはははははははははははははッ!!!!」

思わず。
観音寺ゴゴは、腹から笑ってしまった。
なんて、なんて馬鹿馬鹿しいほどにシンプルで効果的な奥義だろう!!
大重量を高空から投下する、神の杖計画にも似た単純兵器・・ッ!!

「いやすまん――――あんまりにも楽しくてつい、な!」
「見事なりバリザーナ・メルゥス・フルエアメリム・ユエノルム5世・3号機・ぴよぴよ・ハルノキア・ブリーズ・^~^・フロストギガナックル・セヴァーテ・りり子ッ!!」
「ならばその星の重さ、全霊で応じて贖いとしようッ!!」

さぁ、どうする観音寺ゴゴッ!!

回避!
防御!
受け流し!

そのどれもが無謀!
万死一生、無数の死のシミュレーション!

ならば!
ならば、ならば、ならば、どうする観音寺ゴゴ!!
空より墜ちるこの乙女隕石、如何にして応じるか大宇宙ッ!!!

生き残りたいのなら回避すべきだ!
着弾の余波とて必殺足り得る衝撃を持つことは想像に難くないが、それでも直撃を受けるよりは耐えようもある!

勝ちたいのならば受け流すべきだ!
所詮は直線的な単純落下、軌道を逸らして地面に叩きつければ威力はばり子自身に還り、大打撃を与えることもできよう!!

だが――――違った!
観音寺ゴゴの応じ手は違った!!

「――――――――来い、瀬波ァッ!!!」

両腕を広げる!!
両脚を広げて腰を落とす!!
真っ向から、真正面から――――――――受け止める気で、いる。

「大宇宙形意拳――――――――」

迫る。
隕石が迫る。
ニィと笑った。
拳が迫る。
視線を交わす。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 23:34:17 No.7904773

>>7904749 >>7904724 >>7903892

   
「抱擁け
      
        

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[ビジネスタウン][壺中天]
観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 23:36:59 No.7904821

>>7904773 >>7904749 >>7904724 >>7903892

……………………………。

…………………………………………。

……なんというか。

世の中には限界というものがあるようだった。残念ながら。

おそらく貴女が観音寺ゴゴがショッキングな状態になるのを知覚するよりも早く、その肉体は消滅――――壺の外へと、弾き出されていったのであった。

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ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 23:48:08 No.7904948

>>7904724 >>7904749 >>7904773 >>7904821
「――ぁは」

ゴゴの笑い声を受け、ばり子も小さく笑う。
もしかしたら、少し開けた口が風を受けて唇を揺らし、
少しくらいは笑って見えたかもしれないな。

そう。これこそが全身全霊・・・・、全てでのぶつかり合い。
人を愛し、人を慈しみ、さりとて拳を振るい続ける女の、
ある意味では望み通りの戦い。
その相手も笑っているのなら、憂いなど欠片もない。

「受けてみせろ、観音寺ゴゴ!
 この当機の、この私の攻撃を、重さを、魂を!」
「うおおおおおおおおおおおお――」

そして、重力加速度のままに速度を上げた女ひとり。
それが墜落してできたクレーターの大きさは、
全身のどのカメラにも映っていない。

当たり前であった。
いくらアンドロイドであっても隕石の直撃には耐えられないため、
すなわち自分が隕石側でも耐えられないのである。
この技は捨て身の技、あるいは衝撃を踏み倒す手段あっての技。
カメラに映った最後のフレームは観音寺ゴゴのどアップだったので、
友人たちに見せるにも問題はないだろう。多分。

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[ビジネスタウン][壺中天]
観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-29 23:41:28 No.7904863

「――――――――――ハッ!!!」

「死ん…………いや生きてるのか。生きてるんだったな」

敗北し、強制送還。
意識を確認し、頭を軽く振る。

「うぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーむ」
「流石に受け止めれんかったかァ……………」

「まだまだ修行が足りんな……!!」

修行の問題なのか?

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[ビジネスタウン][壺中天]
ばり子 [Eno.7] 2025-12-29 23:52:52 No.7905021

「おああ」

「やっぱりダメでしたか。仮想空間専用技ですね」

引き分けと言えば引き分けだ。
強制送還を受け、ゴゴ同様に周囲を確認。
こちらの身体ではカメラは目の2つだけ。

「テンションが上がってあの技を使いましたが、
 もし受け止められていたら正直怖かったですよ」
「……いや、言い直します」
「今のゴゴにあれを受け止められていたら、
 私も修行が足らなかったなと思うでしょう。
 ですから……今後の大宇宙形意拳の研鑽に期待しています。
 そういう拳法、でしょう?」

何事にも限界はあるが、宇宙が広いのもまた事実。
では、この限界を広げる術は、まだありうる・・・・
この女は、それを信じている。

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-30 00:03:27 No.7905152

「おっ戻ってきた」

「いやぁ、ああなれば受け止めねば嘘だと思ったのだがな」
「俺にはまだ早かったようだ。すまん!わはは!」

一時のテンション任せとはいえ、あの技には“受けて見よ”という信頼があった。ように感じていた。
ならば受け止めねば嘘であった。
受け止められなかったのだから、未熟も未熟であった。

だが、そう。
彼女の言う通り――――

「――うむ。次こそは」
「必ず受け止めて見せよう。それが我がカンフー、大宇宙形意拳だからな」

「三度目になるが……今日は本当にありがとう、瀬波」
「本当に、本当に嬉しかった」
「またいずれ、付き合ってくれ」
「フロストギガ・メテオ・ナックルはもとより……次はもっと派手な技だって、受け止めてみせるぞ」

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[ビジネスタウン][壺中天]
ばり子 [Eno.7] 2025-12-30 00:14:09 No.7905289

「あれを放たせた時点で相当なものです。
 誇ってもいいし、もっと上を目指してもいいですよ。
 次が近くにあるのならばいつだって受けますし、
 遠くにあるのならばまた別のばり子がお相手します」

信頼があったし、それが果たされなかったことは裏切りではなく、
それを受け止めようとされたことに意味があった。

「こちらこそ、本当にありがとうございました。
 すごく楽しかったですよ」
「次はフロストファイアーギガブレードナックルとか
 フロストサンダーギガスピアナックルなんかも
 きちんと練習しておきますから」
「あとで今日の録画を送れればいいのですが、
 なにせハイパーアンドロイドの視界映像ですからね。
 画質を落とす処理をして渡せるサイズに落とし、かつ、
 万が一にも表に流出しないように加工しなければなりません。
 そのうちね」

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観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-30 00:32:40 No.7905512

「…………まったく」
「果報者だな、俺は」

闘いを始めた時と同じく、包拳礼。
武人として示す、最上の礼法。

「映像の方はのんびりやってくれ」
「……俺は明日から実家に帰るし、年内に会うのはこれで最後かもしれん」
「春からの付き合いだが……お前に会えて良かった」
「良いお年を、瀬波」
「また来年もよろしくな」

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[ビジネスタウン][壺中天]
ばり子 [Eno.7] 2025-12-30 00:37:22 No.7905558

「日頃の行いがいいですからね」

死んで出てきたに等しかったので忘れていたが、
こちらも頭を下げ、礼をした。

「私も、ゴゴに会えてよかったです。
 学ぶことも多いし、単純に、友達としても」
「良いお年を。私は来年も再来年もこの街にいるでしょうから、
 今後もお互いがんばっていきましょう。
 改めて、今日はありがとうございました。
 またね」

友達のする挨拶をし、帰ることとした。
内部では大変だったが、出てくれば元気なものだ。
上機嫌で帰っていく背中を見られることだろう。

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[ビジネスタウン][壺中天]
観音寺ゴゴ [Eno.194] 2025-12-30 00:44:51 No.7905642

「うむ――――またな、瀬波」

こちらも建物を出て、入り口で別れて帰路につく。
今年はいい一年だった。
そう思える、いい日だった。

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