RECORD

Eno.232 月影誠の記録

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朝はラウンジに朝食食べに行ったら葛山が居たので談笑。
虚戯さんという大学生の人と連絡先を交換して、明日の正午ザリガニ釣りに行く約束をした。
ザリガニ釣りが大人気コンテンツすぎる。どうなってるんだ。
というか初めましてからザリガニ釣りに行く約束に発展することあるんだ。

後は何人かラウンジに居た人と会話する。
鯉の食べ方とか、ウシガエルとか。
北摩湖にウシガエルが居たってマジ? ザリガニすら見なかったが……?


お昼は自然保護区に行った。もしかしたらサギソウを見れるんじゃ、と思って下見。
夏になったら探しに来よう。多分この環境なら生える。
そらという子供と遭遇して、生き物のことを少し教える。
カワゲラやサワガニが珍しいことを教えたら喜んでいた。嬉しかった。
夜遥とも出会ってお話した。少しだけ自分に纏わる事情を忍ばせて。
少しだけいつも心の底に忍んでいる罪悪感。命の選別を行う。


「でも学んでたらそれだけきちんと見定めることができるじゃん。
 それって無差別より立派なことだと俺は思うし
 それこそお礼言われるようなこと俺は言ってないけどね」


「んなこと言い始めたらあれだぞ。
 食べもの全部に言い始めなくちゃいけなくなるからゆるーくていいんだよ」


褒められるようなことはしていないけれど。
食べるもの全部に言うことになるのは、なるほどなとなった。


「夢物語やけど。食わずに生きられれば良いなぁ。
 食わなければ死ぬ。食わなければ殺される。エトセトラ。
 何の理由があろうが結果は同じ。それは殺害も同義の行為や


「……殺さなきゃ生きていけへんし、それは人間以外も同じ。
 ザリガニも、ウシガエルも、人も、僕でさえ捕食する」


「しゃあないこととはいえ、な。ままならないもんや」


―― ままならないんだ。こればかりは。



夜。ザリガニ試食会の野郎が俺だけって聞いてない。
野郎一人なのでハーレムって言われる。俺にそういう趣味はない。
誰も上げず下げないような言い回しを意識してるのに向こうからくる。女子が肉食獣。
恋バナが始まる。俺はこの16年とちょっとをザリガニに捧げとるが?
告白してないのにフラれた。最早これはなに???

……と、ツッコミどころのオンパレード。
頼むから次回は俺抜きでやってくれ。頼む。これは命乞いです。お願いします。
片思いの人がいるのに来る人もいるし意味深に囁いてくる人もいる。
怖いって。女子が積極的すぎる。恋に飢えていらっしゃる?
俺が提供できるのは頑張って鯉だが???



…………まあ、何はともあれ。
全員に満足してもらえたから、頑張った甲斐はあると思う。
皆の日常に色を添えるお手伝いができたなら。それは俺にとっても嬉しい話だ。





「一番モテないどころを知ってるかい?
 それはね、程よく優しくて、深入りしないで、変な趣味がある人間


「そういう人は、いい奴だよね~ で止まるんだ」