RECORD

Eno.1469 風雷 透真の記録

喉奥に残された濁り

アイツらは自分が傷付く事を選んだ。
それが自然な流れであるかのように。


ずっと前から俺の喉奥には何かが溜まっていた。
それは熱くとも冷たくもなくて痛みも感じない。
でも、重くて何かがゆっくりと沈んでいく感覚と
何かがへばりつくような粘りを感じた...
今も喉に残る後味が不快極まりない。

「仕方がない」と気にしないようにする。
仕方がない、そういう状況だった。
仕方がない、アイツの選んだ決断だ。
仕方がない、他者を傷付けたくはなかった。
その言葉を何度でも繰り返す。

誰のせいでもない出来事ほど、扱いに困る。
誰も悪くはないのに、俺の中の何かが歪む。
どれだけ歪もうと壊れる音はなかった。
それでもこの感触だけは残り続けている。

今日も喉の奥で、ドロリとした何かを感じながら
俺は今日も今を生きている。

それが何なのかは、まだ知らないままでいよう。

人生なんてものは
傷がつかない程、完璧なものじゃない。