RECORD

Eno.115 古埜岸姉弟の記録

七尚の記録②

「そういや七尚、多摩科連のトレーニングルームちっとも使わないよな。
 何で?」


「私の場合、あんま一目につくとこで鍛えんのもな。
 あとなんかやたら暑苦しいし……


「暑苦しい!? 暑苦しいっつった!?
 それは空調的な話か!?」


「わかんだろ。
 お前らのテンションの話だ」


「おかしい……俺らあんなにインテリクールなのに……
 女子が敬遠しないよう対策も立ててるのに……」


「そういうところだろうが」


「大事だろ! 女子が寄りつくかどうかは!
 え、つーか七尚目線で入りやすいのってどんなんだよ。
 お前を女子の勘定に入れていいかはともかくとして!」


「いらん一言が多いないちいち。
 まあ、そうさな……」


「変な挨拶を流行らせない」


「!?」


「そもそも女子が入る入らないとか気にしない」


「!?」


「でかい声で筋肉がどうのこうの頭悪そうな会話しない」


「ちょっと待てェい!
 滅びるって。 俺らが消えて無くなる」


「いっそそれが正解かもしれん」


「ひどい!」




全く、どうしてこんなにも馬鹿なんだかわからん。
そもそもどうして女子をそんなに気にしてるんだ?
八千代のやつ、以前「彼女はいらない」ってはっきり言ってたくせにな。

いやいっそ、彼女でも作って
私の周りをウロチョロしなくなってくれる方が楽ではあるんだが。

おそらく、以前だったら私のトレーニング場所にこいつが着いてきていたはずだ。
勝手によそでトレーニングしてくれるようになったのは、進歩に違いない。

まだマシになった方だと思っておこう。