RECORD

Eno.225 葛山の記録

【閑話】地球は何故自転するのか

 ずっと止まっててくれ。

 なんて、滅茶苦茶を言いたい時が時々ある。
 ずっと昼であって欲しい。
 そうなる訳ない事も、仮になったら人類は滅びる事も解っちゃいるが、言いたくもなるのだ。
 要するに、夜が来るのを恐れている。

 そういえば、良く考えたらそんな理想的な場所もあったな。
 裏世界という名の。
 だからと言って裏世界に住めばと言われると、違うのだが。

 それはどうでもいいけど。

 真っ暗な大部屋の中を、何かが動いた。畳が、ぎし、と小さく鳴る。
 姿は良く見えない。ただ、闇の中にそれが居る事だけが分かる。
 自分にしか認識出来ないものが居る。

 ずるり、ずるりと何かを引きずる音。壁を引っ掻く様な音。
 音はゆっくりと部屋を這い回る。
 湿った息遣いが、部屋のあちこちから聞こえてくる。
 然し、自分が寝ている場所にはあまり近付いて来ない。
 否。初日なんかは直ぐ近くまで寄って来ていたのだ。
 怪奇である屋嘉比が居てくれているから近付いて来ないのだろうか。

(やっぱりお化けにはお化けをぶつけるといいのか……?)


 屋嘉比本人にはとてもじゃないけど失礼過ぎて言えなかった。