RECORD
Eno.115 古埜岸姉弟の記録





























EP.0 月夜にひらけ、幽冥の門 [2]

「オマエの子は、死んだ」

「え?」

「どっどうしてお前がそれを!?」

「磨諾鬼、さん……?」

「え。
ぁ……ア! ワ!」

「哀れな奴だ。
ソイツの反応が他でもない証人となろうとは」

「虎徹!
ま、まだ……まだであります!
まだ、幽冥の道を通ったのを見ていないであります!
だから、希望はまだ……!」

「磨諾鬼さん。
キサキさん、きっと
私に黙ってる つもりでしたね」

「や……っ ぇ、わ……!」

「その通りだトラジックハンドⅡ。
オマエが妻と子に託した希望は、潰えたのだ!」

「ヤツ カガミ」

「ありがとう」

「は?」

「キサキさんだけに
背負わせずに済みました。
知って 良かった、です」

「……ふざけるなよ。
トラジックハンドⅡ!
つらくはないのか!
絶望しないのか!」

「つらい けど
きっとその子も 幽冥に行くから
すぐ私 行くから
ひとりぼっち しません」

「虎徹……」

「人は死にます。
仕方ない」

「オマエ」

「それ、オマエが言うのか」

「ワタシから父上を奪った
オマエが言うのかッ!!!」

「…………!!」

「やはり あなた
怪盗ヤツカガミの、子」

「……違うんです」

「何がだ!」

「私、殺してない」

「誰も信じない、けど、本当
怪盗ヤツカガミ あの時」

「命 絶ちました」

「自らの 手で」

「え?」