RECORD

Eno.299 九十八 陣(にたらず じん)の記録

雨の日の朝と夢


じくじくと、がらんどうになったはずの右目が痛む。
ベッドの上、窓の外を見れば雨が降っていた。
ぼんやりとした頭は、いまだに夢の中を彷徨っているような気がした。

幼い頃の夢。
赤い空の下、ふらふらとただ歩く自分。
重い服を引きずって、ずるずる迷い続けて。
どうしたいのかもわからないまま、歩き続けて。
つまづいて、転んで、それでも歩き続けて。
青い空の下に戻ると、高い建物ばかりの知らない場所で。

……頭を振る。
夢に浸っている場合ではない、今日も朝からしなければならないことがあるのだ。
眠い眼をなんとか開きながら、ドアの方へと足を運ぶ。

───今日も、一日が始まる。