RECORD

Eno.34 笛理 彗昴海の記録

或る双子の昔話

昔々、あるところに。仲睦まじい二人の兄弟がいました。
兄は名を「カストル」。弟は「ポルックス」。
カストルは人間でしたが、ポルックスには半分神の血が流れていました。
二人はとても強く、戦いに明け暮れました。

ですがある戦いの折。二人は苦戦を強いられていました。
そこで弟は提案します。「二手に分かれて挟み撃ちしよう」と。
兄は快諾しました。そうして、二手に分かれ...作戦は上手くいき、勝利を手にしたのです。

...ただ一つ、兄カストルが、流れ矢に貫かれたことを除いて。
「一緒にいることができたなら」ポルックスはそう、ひどく後悔します。
しかし、もう一緒にいることはできなかったのです。
神の血を引くポルックスは、死ぬこともできなかったのですから。

酷く悩んだ末に、ポルックスは決意しました。
とても偉い神様に、自らを星に変えてもらったのです。

そうして、星として二人の兄弟は、永遠に一緒になりました。


…運命はその糸で、二つの道を結び付ける。
双星はただ、互い確かめ合うように輝いていた。