RECORD
Eno.305 神楽 紗耶の記録
変化
嫌いなものは何かと聞かれたら、私はセロリと答えることにしている。
別に食べられないわけじゃないんだけど。
もっと嫌いなものは他にもあるけど、あんまり理解が得られないだろうから言わないようにしている。
本当に一番嫌いなものは、"変わること"。
大雑把だけど、そう言うほかないのだ。
何かが変わるたびに、私の人生は悪い方向に転がっていった。
一番最初は、幼馴染が小学校に上がる時。
幼稚園からいなくなってしまうのが嫌で、めちゃくちゃに泣きじゃくってしまった。
小学生になって、成長期に入ると男の子のお友達と距離が開いて行った。
"神秘"に触れてから、黒い痣が体に現れるようになった。
中学に入る頃、幼馴染と物理的にも距離が開くようになった。
お泊り会もできなくなった。
──ずっとこのままだったらいいのに。
私はずっとそう思って生きてきた。
これ以上私から何かを奪わないで。これ以上離れて行かないで。
「これからも、減っていくのかな。俺達の時間」
変化を受け入れるのが大人になることなんだと、みんなが言う。
でも私は……それを受け入れることがまだできない。
せっかく仲良しになった友達と離れてしまうのは普通なんだろうか。
進学や就職、結婚をしたらもう友達と一緒に出掛けてはいけないのだろうか。
……もし
もし、司くんがいつか就職して、彼女さんとかできて、結婚なんかして、
もう一緒に遊ぶことはできないと言われたとき。
私は笑ってお祝いできるかな。
よかったねって言って、送り出すことができるのかな。
わからない。考えたくない。
家族がいるのに異性の幼馴染と二人きりで遊びに行く男の人はどうかと思うけど、
じゃあスパっと距離を開けられるかと言ったらそうでもない。
慣れといたほうがいいのかな。
そっと距離を放して、大学で綺麗な女の人と仲良くできるように見守った方がいいのかな。
……考えていると、どんどん心の底が重たくなってくる。
だから変化は嫌い。いいことなんてひとつもない。
嫌だなぁ、と考えながら今日も布団に戻るのだった。
別に食べられないわけじゃないんだけど。
もっと嫌いなものは他にもあるけど、あんまり理解が得られないだろうから言わないようにしている。
本当に一番嫌いなものは、"変わること"。
大雑把だけど、そう言うほかないのだ。
何かが変わるたびに、私の人生は悪い方向に転がっていった。
一番最初は、幼馴染が小学校に上がる時。
幼稚園からいなくなってしまうのが嫌で、めちゃくちゃに泣きじゃくってしまった。
小学生になって、成長期に入ると男の子のお友達と距離が開いて行った。
"神秘"に触れてから、黒い痣が体に現れるようになった。
中学に入る頃、幼馴染と物理的にも距離が開くようになった。
お泊り会もできなくなった。
──ずっとこのままだったらいいのに。
私はずっとそう思って生きてきた。
これ以上私から何かを奪わないで。これ以上離れて行かないで。
「これからも、減っていくのかな。俺達の時間」
変化を受け入れるのが大人になることなんだと、みんなが言う。
でも私は……それを受け入れることがまだできない。
せっかく仲良しになった友達と離れてしまうのは普通なんだろうか。
進学や就職、結婚をしたらもう友達と一緒に出掛けてはいけないのだろうか。
……もし
もし、司くんがいつか就職して、彼女さんとかできて、結婚なんかして、
もう一緒に遊ぶことはできないと言われたとき。
私は笑ってお祝いできるかな。
よかったねって言って、送り出すことができるのかな。
わからない。考えたくない。
家族がいるのに異性の幼馴染と二人きりで遊びに行く男の人はどうかと思うけど、
じゃあスパっと距離を開けられるかと言ったらそうでもない。
慣れといたほうがいいのかな。
そっと距離を放して、大学で綺麗な女の人と仲良くできるように見守った方がいいのかな。
……考えていると、どんどん心の底が重たくなってくる。
だから変化は嫌い。いいことなんてひとつもない。
嫌だなぁ、と考えながら今日も布団に戻るのだった。