RECORD
Eno.445 羽嶋 璃珂子の記録
恐怖症
小学生の頃、私はヒロインだった。
クラスの友達が困っていると、何となく気がついて助けてあげていた。
親友のスミちゃんがいじめられているとすぐに駆けつけて、担任の先生を呼んだ。
それは勘の冴えとしか言いようがなく、他の皆にはできないことだった。
頼れるお姉さん。気働きの優等生。
たくさんの友達と尊敬する大人に囲まれて、それなりに充実した毎日を送っていた。
世の中には、分かっていてもどうにも出来ないことがたくさんある。
中学生に上がると、察知できる事件の数が一気に増えた。
部活の先輩が告白された。良かったですね。
友達のお父さんが捕まった。どうしようもなかった。
親友が万引きしようとしていた。止めてもまたやった。
先生が友達の下着を盗んだ。尊敬していたのに。
おじいちゃんが交通事故で亡くなった。何もできなかった!
起きている間は、引切りなしに勘が働き続けていた。
頭の奥がじんじんするような違和感。
「あそこで男の人が殴られているよ。」私は関係ない。
「スミちゃん、今嘘をついたね。」やめて。
「今、✕✕さんが亡くなったよ。」聞きたくない!
本当は、知らなくていいことなんて山ほどある。
でも、私の勘は優しさなんて選んでくれない。
必要でも不要でも関係なく、ただ機械みたいに<始まり>を察知する。
そんな自分が、もう、嫌いというより、疲れる。
治療が、必要だった。
クラスの友達が困っていると、何となく気がついて助けてあげていた。
親友のスミちゃんがいじめられているとすぐに駆けつけて、担任の先生を呼んだ。
それは勘の冴えとしか言いようがなく、他の皆にはできないことだった。
頼れるお姉さん。気働きの優等生。
たくさんの友達と尊敬する大人に囲まれて、それなりに充実した毎日を送っていた。
世の中には、分かっていてもどうにも出来ないことがたくさんある。
中学生に上がると、察知できる事件の数が一気に増えた。
部活の先輩が告白された。良かったですね。
友達のお父さんが捕まった。どうしようもなかった。
親友が万引きしようとしていた。止めてもまたやった。
先生が友達の下着を盗んだ。尊敬していたのに。
おじいちゃんが交通事故で亡くなった。何もできなかった!
起きている間は、引切りなしに勘が働き続けていた。
頭の奥がじんじんするような違和感。
「あそこで男の人が殴られているよ。」私は関係ない。
「スミちゃん、今嘘をついたね。」やめて。
「今、✕✕さんが亡くなったよ。」聞きたくない!
本当は、知らなくていいことなんて山ほどある。
でも、私の勘は優しさなんて選んでくれない。
必要でも不要でも関係なく、ただ機械みたいに<始まり>を察知する。
そんな自分が、もう、嫌いというより、疲れる。
治療が、必要だった。