RECORD
Eno.712 茅鳴 ほみの記録
茅鳴直生の日誌 #0
今のこの国には、タバコを吸えるところが少ない。
ちょうどあの時も。
研究がうまくいかないとか、教授と揉めたとか、食いかけの飯が腐ってたとか、イライラして外に出たんだった。
誰かと会うかもしれない喫煙所に行く気はしなくて、どっかの路地裏で、と思って、知らない建物の間に入っていった。
下ばかり見て歩く癖が悪かったのか。
べちゃ、という水の音に顔を上げると、そこは知らない赤黒い街。
落ちたタバコの火が七色に反射した。
そこから伸びる、無数の黒い手。
その時俺は、はじめて科学以外のものを目の当たりにして、
まだ神秘という理解を得る前に、
それに⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎のだった。
ちょうどあの時も。
研究がうまくいかないとか、教授と揉めたとか、食いかけの飯が腐ってたとか、イライラして外に出たんだった。
誰かと会うかもしれない喫煙所に行く気はしなくて、どっかの路地裏で、と思って、知らない建物の間に入っていった。
下ばかり見て歩く癖が悪かったのか。
べちゃ、という水の音に顔を上げると、そこは知らない赤黒い街。
落ちたタバコの火が七色に反射した。
そこから伸びる、無数の黒い手。
その時俺は、はじめて科学以外のものを目の当たりにして、
まだ神秘という理解を得る前に、
それに⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎のだった。