RECORD

Eno.340 月待 よすがの記録

記録:月待よすが①


――「……それじゃあ、名前を教えてくれるかな?」

「……はい」


月待つきまちよすがです。束都中学の1年……」



――「よすがちゃん。君のケアを担当する星見です。束都高校に通っています」

「……高校生なのにケア?」



――「ご、ごめんね……。不安だよね。嫌だったら他の組織にも打診してみるから……。
 事故のことについて、覚えてること話せるかな?出来るだけ詳細に」

「……学校の帰り道、今日は父さんの帰りが遅くて、コンビニでご飯を買って帰ろうとしたんです。
 おにぎりと、ハンバーグ弁当を買いました。
 だからいつもと違う道を通って、トンネルを歩いていました」


「そしたら、目の前に大きな……白い、何かが現れて……。
 目を覚ましたらここにいました」



――「……記憶ははっきりしてるみたいだね。
 君は、怪奇という存在に襲われたんだ。この世界に現れることは本当に極まれだけど」

「……私、どうなったんですか?」



――「大怪我をしていたみたいだけど、医療班が治してくれた。
 それも怪奇と同じくこの世に存在しない、"神秘"という力で。
 すぐに他の課が対応したから、怪我は完治していると思う」

「はい、どこも痛くありません」



――「それは良かった。今日は疲れただろうしまた次回しっかり説明するよ。
 さっき説明があったと思うけど、くれぐれも今日のことはご家族には言わないように」

「……あの、先生」



――「……? どうしたの?」

「……ドアを開けた時に、思ったんですけど。
 僕、手の感覚が全然ないっていうか……ずっと、麻痺してるみたいなんです」





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