■ 赤座花子の夢想
此処では、工夫すれば、誰でも、どんな道具でも作る。
だから私は、武器を用意して、包帯を準備して、素材を貯め込んで、服を繕った。
便利なものも、使い道の無いものも、手元に置いた。
此処では、色々な初めてが訪れる。
木を切り倒すのも、動物を捌くのも、砂浜に落ちていたドラム缶を転がしてくるのも。
クラスメイトを脅すのも、海に身を投げ出すのも、全部初めてだった。
「普段は滅多に切らないのだけどね」
伸びっぱなしの髪。作りたての鋏。
誰かに切ってもらうのも、多分、初めてだった。
目は口ほどに物を言う。だから、目を隠した。
でも、まあ、いいかって思ったの。
気まぐれで。もういいかって、断ち切った。
「思えば」
「クラスじゃ殆ど話なんてしなかったわね、私達」

「この修学旅行があって、良かったわ」
「貴方もそう思わない?」