Eno.607 赤座 花子

■ 赤座花子の墓場

生きることは、「やる」ことだった。
生き抜くことではなかった。


この島で、色んなことをやってきた。実行してきた。結果を出してきた。
しかし、その全ては、やれるからやってきたことだ。

生きろと言われたから生きた。
休めと言われたから休んだ。
手伝ってと言われれば手伝ったし、
諦めろと言われれば諦めただろう。










この島に来て初めて、

生きる理由を見つけた気がした。

死に場所を与えられた気がした。




「なくさないように」と言ったけど、
本当は「大切にする」と言いたかった。

「教えてくれた」と伝えたけど、
本当は「引き出してくれた」だけだった。




もし死ぬなら、貴方に「これ」を持っていてほしいな。
墓参り、人生で誰か一人くらいには来てほしいから。



もしまた此処に来たなら、その時は「これ」を無くさず持って帰る。
私の墓場は、貴方の手中がいいから。