Eno.161 リゼルヴァ・スプラウト

~休題~ 弐

あの異邦異世界の術師と遭遇したのを切欠に、俺達は『主』の直属に捕捉された。
なんなら『主』の分霊が直接来て――結果的に、親父は治療されて完治。俺も正式に昇華された天使になった
現在の俺の髪や瞳の色は、親父の“核”の欠片と正式に同調融合した証でもある。

そして、親父の件については『主』も同情なさったらしく。
更に“エルドラド”社の面子とか、“アマサキグループ”つったか、少し前にヴァーチャシティに進出した日本企業の支社長さんとかも協力してくれて。

完治した親父がまた拉致られるなんて事態もあったが――粛清報讐は、無事に成し遂げられた。
(一瞬、親父の(天界での)親友であるザフィさんザフキエルが消滅して再構成されたりしたが、其れは別の話だ)




親父が常に目を瞑る様になったのは、それから。
未だ疵痕トラウマが癒えてない、其の証左でもある。

だからこそ、俺は親父の力になりたいし、本当ならザフィさんと同じ位、傍に居てあげたい。
だけど――現状、其れは危険だと判断されているのも事実で。
(其の理由については、親父と俺以外の話でもあるので、此処では割愛する)
 ※詳細はクリトラRno.1004様でログどうぞ→ :/ http://ct.428.st/?mode=chat&list=6&room=1004 /:


そして何より、あの術師からの勧誘もあったので――
俺は、留学みたいな感じで、異世界に向かう事になったのだ。



所謂、剣と魔法の、ファンタジーな世界。
交易都市って云われる街の中に在る――冒険者の宿«萌ゆる冀望亭»。
今、俺は其処で世話になりつつ、細々とした手伝いをしたり、呪術師として暗殺ギルドに顔を出したりしている。
天使で呪術師とか珍しいなって、何人かに言われたりしたな。

今の俺に出来ることは、其処で実力を積み重ねる事。
異世界を通じて、色々と見て、聞いて、学んで、識る事。



ヴァーチャシティでの現状がある程度収まって、戻った時に。
親父の傍で、力になる為に。




……其の最中に、こんなシマに遭難してるから世話無ぇんだけどな、畜生!!