捧げた物の正反対かつ、この世に存在しない不明な物が生成される神秘。
捧げた代償に応じて生成される物はスケールが大きくなるらしく、その限界値は本人もまだ詮索段階である。
手に持っているマスクは神秘で作り出された物。
後に気づいた事について
生成する限界値は上がっているが、もしもこのままやってし続けてしまうともしかしたら―――――
過去について
兄との仲は毎日遊んで笑い合うくらい仲が良かった。
ある日、兄から「用事が立て込んでいて、帰るのが夜の12時辺りになるかもしれない。」と連絡を受ける。
当日の夜になり、時間も遅いので目を瞑って寝ようとした。
だが、何故かその日は眠れなかった。
時刻は午前2時を過ぎた、心がざわつく。
気が付いたら外へ出ていた。
辺りは真っ暗、だが足は行かないと行けない場所を知っているかの様に歩みを止めない。
そして着いたのは、兄の仕事場。
そこで見たのは地面に落ちている、過去に自分が兄へあげた御守り。
心のざわめきが一気に極度の焦りへと変わる。
その時、見つけてしまう。
「血痕...?」
急いで走り出した。
「そんな訳はない。」
焦りは確信へと変わってしまった。
「そんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ないそんな訳ない。」
「そんな―――」
そこには、大量に血を流し、今にも息が絶えそうな兄の姿があった。
「兄さん...?」
「...綾也か。」
「兄さん、どうして...どうしてこんな目に...誰がこんな事を...」
「......■■だ。」
「え...?」
「■■が...俺を酷く恨んでいたみたいだ。」
「そんな訳...だって彼女は...彼女は兄さんのクラスメイトだったんでしょ?」
「あいつは...私より下の人間が...どうしてそんな幸せな暮らしをしているの...!と言っていた。」
「...」
「俺とお前が毎日...一緒に遊んでるのをどこかからずっと見ていたらしい...」
「そんな...そんな事で...?」
「■■にとっては、それが何より許せなかったんだろう...」
そう話続けながらも、血は流れ続け、地面は赤く、紅く染まっていく。
「兄さん...!救急車呼んだから...これ以上は無理をして喋らないで...」
「もう...遅いんだ。」
「まだ分からない!もしかしたら、もしかしたら助かるかもしれない!」
そんな訳はない
「もう...いいんだ。」
今助けを呼んでももう助からないと、綾也も直感していた。
「けど...!」
「逃げろ...頼む...」
「逃げろ...?何で...?」
「俺を害した今、俺が居なくなったら、次に狙われるのは綾也だろう...」
「居なくなったら何て...そんな事...」
「頼む...兄からの一度だけの頼みだ...」
「嫌だ...僕の神秘で兄さんを助ける...離れたくない!」
「お前の神秘は...人は治せないだろ...もう、打つ手はないんだ。」
「そんな...まだあるよ!諦めなければきっと――――」
「.......仕方...ないか。」
兄が手を前へと掲げる。
「兄...さん?」
「お前を救う為には...こうするしかないんだ...どうか、俺を許してくれ...」
眩いそして温かい光が視界を包む。
「兄さん...!兄さん...!」
「どうか...綾也のこれからの人生に...幸有らん事を。」
――――――――――――――――――――――――――――
――――目を覚ます。
「ここは...?俺の家...」
「そういえば、兄はどこへ...」
「兄...?そもそも俺に兄など居たか...?」
「それに何だこのモデルガン...」
「"無法者を追放せよ"...?なんだこれ」
「ま、いいか。置いておこう。」
「ん、もうこんな時間なのか。学校に行かないと...」
―――――――――――――――――――――――――――――
あの時、兄が放った神秘、その名前は生成:Nw0nknU。
その神秘の本当の力は、触れた対象の反転化/肉体の入れ替えを行える神秘。
兄は息絶える直前に弟に触れて神秘を発動させる事によって、兄と綾也の肉体を入れ替えた。
肉体の入れ替えにはデメリットがあり、入れ替わった肉体に自分の神秘が宿る、入れ替わりを使用した者の記憶をこの世に存在する全ての人間が忘れる、口調や性格までも入れ替わる等といった事が起きる。
その事実を知る事は本来ないだろう...今の段階では。
???
"あれは、俺と...誰だ?"
「――――ろ...む...」
"何だ...?何て言ってるんだ?"
「逃げろ...頼む...」
"逃げろ?俺が誰かにそう言ってるのか...?"
「逃げろ...?何で...?」
"誰なんだ...こいつは。"
「俺を害した今、俺が居なくなったら、次に狙われるのは綾也だろう...」
"――は?今...俺、あいつの事綾也って..."
「居なくなったら何て...そんな事...」
「頼む...兄からの一度だけの頼みだ...」
"いったいどういう事だ...俺に兄なんていないぞ...?それにあの見た目は確かに俺だぞ?"
「嫌だ...僕の神秘で兄さんを助ける...離れたくない!」
"神秘...兄さん..."
「お前の神秘は...人は治せないだろ...もう、打つ手はないんだ。」
「そんな...まだあるよ!諦めなければきっと――――」
"まさか...そんな訳...そんな訳!!!"
「.......仕方...ないか。」
兄が手を前へと掲げる。
"あの、あの光は...!"
「兄...さん?」
"兄さん!!!"
「お前を救う為には...こうするしかないんだ...どうか、俺を許してくれ...」
あの時と同じの眩いそして温かい光が視界を包む。
"兄さん!兄さん...!!!"
「どうか...綾也のこれからの人生に...幸有らん事を。」
"兄さん!!!!"
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「綾也...生きろ。憎しみ何て抱かなくていい...俺は、お前が生きてるだけで十分なんだ。どうか...生きてくれ。俺の...大切な...大切な弟。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「はぁっ!」
飛び起きる。どうやら寝ていたようだ。
「夢...?」
あの出来事、過去に起きた事、兄について。色々知りたい事は山程あったが、どうやら決心が着いたようだ。
「兄さん...俺、生きるよ!兄さんの分...頑張って生きるよ!だからどうか...どうか、"僕"を見守っていてくれ。」
そう言った後、深く呼吸をした。
かつての綾也は後悔していた。"もっと早く行けていれば..."、"用事をどうにか止めていれば..."と。
神秘が薄れて何が起きたのか、綾也の過去の執念か、はたまたそういう運命だったのか、過去の出来事が現在の綾也に回想の様に流れていった。
だが、もう"綾也"は迷わない。ただ一つの目的、「生きる事」に向かって。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
綾也の本来の神秘について
神秘: Claudia Goodwill.
人間以外の生物に対して完璧な治療を行う事が出来る奇跡。
ただ、その対象に"純粋な善意"を抱かないと、発動する事が出来ない。
過去の自分の正体、兄について思い出した綾也は少しづつ"Claudia Goodwill"を使えるようになる。そして、人に対しても使えるようになる。ただ、治癒力は以前より大幅に少なくなっているが。
これから色々な人に出会っていく綾也は、"純粋な善意"を抱いて、接するのだろう。
"どうか、彼の人生に幸有らんことを。"


ENO.2770
なんなら昔に取ったクマの人形を枕の隣に置きながらいつも寝てます。
いつも仕事になると周りが見えなくなる時があるんですよね... 気を付けてはいるのですがどうしても治す事が出来なくて困っています。

