RECORD

Eno.592 月翼イリア/アレイの記録

零伍十壱

此方の生活にも幾分か慣れてきた。
――

筆を執り、書をしたためてみることとする。

今日は自室で育てている花の苗が窮屈そうだったため、その植え替えと、プランターの土を新しいものに入れ替えた。
培養土にしてみた。よく育って欲しいと、思う。
追加で活力剤を何本か刺した。よく育って欲しいと、思う。

ついでにアパートメント中庭の植物の手入れをした。
といっても、雑草を抜いたり、水を撒いたりと勝手にやっている。が、何か不都合や問題があれば言及を求める。

作業中、304号室の──李 庸碌 氏から、ケーキなる甘味を賜った。
私には不要ゆえ、娘の分の「ひとつ」頂ければ良いと思ったが、言葉というものは難しい。
「ふたつ」渡され、反射的に受け取ってしまった。どうやら気を遣わせてしまったようだ。

娘は、大層喜んだ。
悍ましい形相で狂喜乱舞しながらそれを味わい、ふたつとも平らげてみせた。
娘は娘で一日中ジョギングしていたらしく、途轍もなく糖分を欲していたとのこと。
304号室の住民に多大なる感謝を。


追伸:
活力剤の適量がわからない。
取り敢えず全て刺してみたが、大事無いだろうか。
よく育って欲しい。

追伸そのに:
活力剤投与過多により、植物が一部駄目となってしまった。
不甲斐なさを感じる。


✕年◯月△日 
─時─分─秒  あれい