RECORD

Eno.676 加賀宮 汐音の記録

神秘に触れる

「『アザーサイド』裏世界……。」



少しの間忘れていた感覚。
夕焼けが広がる世界は私達を誘っているみたいで、それでいて居心地の悪さも強く心に植え付けてくる。

「…………。」



小さな頃を思い出す。

避けては通れないなら、もっと知るしか無い。

未知は怖いけど、既知なら怖くない。
忘れて過ごすことが出来たのならそれが1番だったのだけど。
この街はそれを許してくれないみたい。

コンパクトミラーは今日も変わらず私を映してくれる。



生活が落ち着いた頃からずっと考えてた。

"私達"に宿ったこの神秘はいったい何なんだろう。
この神秘は"私達"の世界を少しだけ変えた
そんなふうに考えるととても大きい力があるのかもしれない。

『神秘とは、語られぬがゆえに神秘である。』

誰にも"私達"の神秘は語らせない。
それには万が一や偶然があっちゃいけない。
だからうちは神秘に触れる。

――大切なひとを、守るためにも。